元賞金女王の上田桃子(34=ZOZO)が4アンダー、68をマークし、上位発進した。

プロ17年目の21年を迎え、アイアンのシャフトを初めて替えた。「シーズンオフに“回転数(スピン量)を上げて(グリーンで)止まる球にしたい”と思った」とNSプロからダイナミック・ゴールドへ。しかし、3戦を終え、今週は悩んだ末に元に戻した。

「(ダイナミック・ゴールドは)いい意味で真っすぐにしか球が飛ばないと言うか…。私はドローヒッターで、ヘッドの重みを感じて球を捕まえる感じなんですが、この3試合は当たりが浅く、距離的にも落ちてしまっていた。フェードヒッターならいいと思うんですが…。スタッフと相談して、1度元に戻してからまた考えたら、という話にもなった。それにここ(葛城)はアイアンの縦距離が合っていないと戦えない。このコースだから、戻したというのもあります」。新しいシャフトへの挑戦を止めたわけでなく、試行錯誤を重ねて進む姿に、衰えない向上心がにじむ。

ツアーを休んだ前週は同郷・熊本の有村智恵とともに先輩プロの宮里藍さんとラウンドを楽しんだという。「いろいろ勉強になりました」と格好のリフレッシュになったようだ。

ツアー開催地の中でも有数の名門コースで6バーディー、2ボギー。高低差、レイアウトなど攻略するための要素が多いフィールドだが、この日はいつもの風がほぼなかった。「今年は例年の葛城とは違う顔。明日も風は吹かない予報だし、スコアが出ると思う。4日間、このコースを1日ずつ難しくなってくるんです」。同じ辻村明志プロ門下の小祝さくららの活躍にも刺激を受けながら、優勝争いを見据えていく。