今年2勝で現在賞金ランキング1位の小祝さくら(22=ニトリ)が6バーディー、ノーボギーの6アンダー、66でまわり、高橋彩華(22=東芝)、山下美夢有(19=加賀電子)と並んで首位発進した。安定したショットを連発し、危なげなくノーボギー発進。同ランキングの上位陣が米ツアー参加で不在の中、今年3勝目で目標の初女王に前進する。

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今年4戦で2勝。“安定の小祝”が気づけば定位置にいた。前半のパー4、14番で流れを再びつかんだ。第1打を右の林に打ち込み、第2打はフェアウエーへ出すだけだった。ただ集中を切らすことはなく、第3打をピンまで3メートルに寄せてパーでしのいだ。「大きい1打でした。あそこから流れも変えることができた」。

ピンチを乗り越えた直後の15番。今度はバンカーからのアプローチを4メートルに寄せてバーディーを奪った。正確なショットで17番、18番、1番と3連続バーディーとし、一気に首位に立った。ラウンド後は「今日はパターも良い感じで打てて安心してプレーできました」と涼しい表情で振り返った。

狙いを少し外したぐらいでは崩れない。安定感の根底には、ブレないメンタルがある。ミスをしても「他のホールで取り返せれば全然問題ない」とすぐに切り替える。考え込むこともあまりなく、構えに入って打つのも速い。「ここに落としたいと決めたら、そこに打つだけ。悩んでいるのも嫌なのでスパッといきます」と頼もしい。

吸収する能力も高い。他の選手から学ぶことも多く、目標の選手に挙げる上田桃子と練習する際は「ショットの精度だったり、陰ながら見ています」。上田は小祝の観察眼について「コーチに聞くというよりも見て勉強するタイプ。いろんな選手の良いところをじっと見て、それを自分のものにするまで練習している」と話した。

賞金ランキングも現在トップに立つ。今週は上位を争う笹生や原が米ツアー参戦のため不在。活躍次第で、2位以下との差をさらに広げられる。「ここは風が吹くと違うコースになる。集中して明日に向かいたい」と小祝。油断も慢心もなく、1歩ずつ女王へと近づいていく。【松尾幸之介】

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