男子ゴルフの石川遼(29=CASIO)が12日、日刊スポーツの取材に応じ、米男子ツアー、マスターズで日本人初のメジャー制覇を成し遂げた同学年の松山英樹(29=LEXUS)を祝福した。

石川は「同い年というのもあるので、当然、特別な感情があります。本当に感動しましたし、ありがとうという気持ちがすごくあります」と語った。

松山とは中学生の頃から試合でしのぎを削り、互いに高め合ってきた。マスターズは日本時間では夜中から早朝にかけての開催となるが、15日に開幕する今年の国内ツアー初戦「東建ホームメイト・カップ」は(4月15~18日、三重・東建多度CC名古屋)へ向けた調整の合間をぬって可能な限り観戦した。

小学校の卒業文集に書いた「20歳でマスターズ優勝」。これを掲げてゴルフに打ち込み、いまなお、それを追い続けている。これまでに5度出場した「ゴルフの祭典」。その難しさ、壁の高さは、十分理解しているといっていい。

「(マスターズで)勝つのは大変なこと。英樹の場合は、これまでもメジャーで勝てるチャンスのある大会があった。そんな中で今回勝ったというのは、全くまぐれではない証しだと思う。勝つべくして勝った選手だと思うので、本当に憧れですし、すごいなと思います」

21年の国内初戦の直前にもたらされた吉報。石川は「英樹は将来の日本ゴルフ界のことも言ってくれた」と松山が優勝後のインタビューで語った日本人ゴルファーへの思いにも反応した。

「プロでやっている者は、自分の結果で見てもらうことしかできない。英樹の優勝に刺激を受けるジュニアゴルファーはたくさんいると思いますし、ものすごく歴史的な、日本のゴルフ史上でも大きなことを成し遂げたと言っていいと思います」

世界トップの舞台で戦い続ける松山への敬意も口にしつつ、石川は大いなる刺激を受けた。

「自分もそっち側というか、世界にいきたいと思っている人間です。それはもう刺激以上の、言葉に言い換えられない感情になりました」

その上で今後について「自分は自分の道で、自分のペースでやれたらなと思います」と冷静に見据えた。【松尾幸之介】