国内男子ツアーの今年初戦が開幕し、木下稜介(29=ハートランド)が6バーディー、ボギーなしの65でまわり、ホールアウト時点で単独首位に立っている。

木下は「初戦なので緊張していましたが、すごく安定してプレーができた」と振り返った。今大会は過去5度全てで予選落ち。苦手意識もあった中、初の予選通過も視野に入れた好スコアをマークした。今オフにはプレッシャーがかかった場面で力みがちだったスイングを修正。「試合になるとボールが左に曲がってしまっていて。腕の力で振ってしまっていたので、体で、腰を回して運ぶという感じですね」。過去のデータからショートゲームに課題があるとして、アプローチやパッティングも入念に確認。「やってきたことが間違ってなかったのかなとホッとしています」と笑顔をみせた。

頭にあるのは先週のマスターズでアジア人初の優勝を果たした同学年の松山英樹(29=LEXUS)の姿。高校時代には木下が香川西、松山が明徳義塾と同じ四国地方で戦っており、今年1月にハワイで行われた米ツアーのソニー・オープンでは練習ラウンドを共にまわった。推薦出場だった木下にとっては初の米ツアー大会。自身を上回る飛距離のほか、好ショットを連発する松山を目の当たりにし「スイングを撮らせてもらって、参考にさせてもらいました」。筋力トレーニングにも精力的に取り組み、体重もオフの間に3キロ増量。「アイアンも5ヤードくらい飛ぶようになった。体も動くし、いい感じ」と成果に現れつつある。

スイングなどの指導を受けているのは今年の国内女子ツアーで6戦3勝と絶好調の稲見萌寧(21=都築電気)らを担当する奥嶋誠昭コーチで「すごく刺激になっています」と語る。「開幕からスタートダッシュできるように頑張りたい」。悲願の初勝利へ向け、集中して残り3日間を戦いきる。【松尾幸之介】

◆木下稜介(きのした・りょうすけ)1991年(平3)7月16日、奈良県生まれ。10歳でゴルフを始める。香川西高3年時に全国高校選手権で2位。大阪学院大4年時に朝日杯日本学生選手権優勝。14年にプロデビューし、7戦目のダンロップ・スリクソン福島オープン2位。18年に下部のAbemaTVツアーで初優勝。174センチ、75キロ。