戦国武将の末裔(まつえい)? がロケット発進だ。アマチュアの宇喜多飛翔(つばさ、19=大院大2年)が5アンダー、66をマーク。首位と1打差3位につけた。地元岡山県で名を成した戦国大名・宇喜多直家、豊臣家五大老・宇喜多秀家とゆかりがある新鋭がツアー出場2戦目で優勝争いを目指す。池村寛世(25)石坂友宏(21)が6アンダーで首位に立った。

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1アンダーで入った後半から、宇喜多の“下克上”が始まった。1番パー5で3メートル、4番で7メートルを沈め、6、8、9番はショットをピン1~2メートルに絡めた。アウトは5バーディー、1ボギー。「攻めて攻めてではなく、安全にいって“バーディーがとれたらラッキー”ぐらいの気持ちでした」。ツアー2戦目と思えぬ落ち着きで、2位発進だ。

故郷は岡山。岡山は昔、備前国で、戦国~安土桃山時代に宇喜多家が権勢を誇った。「親戚が家系図を調べて、つながっているのが途中までわかったみたいですが、途中までで…。宇喜多秀家が豊臣家五大老なのは知ってます」と笑った。

名前は「飛翔」と書いて「つばさ」と読む。「岡山のつばさ」は、オーガスタ・ナショナル女子アマ優勝の梶谷翼と同じ。「ジュニアの時に面識はありますけど…」。つばさつながりで勢いをもらいたい。

初めてツアー出場した19年10月ブリヂストンオープンは台風のため36ホールの短縮競技となり、21位。その時「全体的に手応えがあって」と、目指すものは「アマチュア優勝」。石川遼、松山英樹、金谷拓実らに続くツアー史上5人目の快挙へ。首位と1打差発進から成り上がる。【加藤裕一】

◆宇喜多飛翔(うきた・つばさ)2001年(平13)5月16日、岡山県生まれ。ゴルフは10歳から。岡山・関西高3年時の19年日本アマ9位、日本ジュニア15位。昨春入学の大院大で1年からレギュラー。好きな選手はタイガー・ウッズ。177センチ、80キロ。