首位から出た星野陸也(25=フリー)が、安定したゴルフを見せ、5バーディー、2ボギーの69で回り、通算13アンダー、275で今年2勝目、通算5勝目を挙げた。今大会の優勝で7月15日開幕の全英オープンの出場権も獲得。優勝賞金2000万円を加えて賞金ランクでも首位に立ち、目標の東京五輪出場が現実味を帯びてきた。来週は全米プロゴルフ選手権に出場する。

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風と雨の中、前半で勝負を決めてしまった。「難しいコース、我慢のゴルフが好き」と言い切る星野は、悪コンディションでも影響を受けない低い弾道のボールを操りコースを攻略。2番パー3を3番アイアンでの低いショットで、ピン左約3メートルのエッジにつけバーディー。さらに5番、8番でバーディーを取り、2位に5打差をつけた。

「本当にやり切った。優勝してやり切った感がめちゃくちゃあります。優勝すると決めて、しっかり優勝できたのはすごくうれしかった」と、喜びを爆発させた。風を読み、落としどころを計算し、最後まで集中力を切らさなかった。最終18番のウイニングパットを決めると「体の力が抜けきった」と打ち明けた。

この大会は優勝者に全英オープンの出場権が与えられる。来週の全米プロゴルフ選手権に出場するため、星野には最後のチャンス。是が非でも出場権を取りたかった。将来米ツアー進出を目指す星野には、あこがれの大会だ。全英は海岸沿いのリンクスという独特なコースで、星野が得意とする低い球を試すためにも出たかったメジャーだった。

今回の優勝で、東京五輪出場の可能性も高くなった。現在世界ランク100位だが、76位の金谷拓実を抜くことが濃厚だ。「東京五輪はスポーツ選手として一生に1度出たい大会」と開催が決まってから目標にしてきた。6月末の世界ランクで日本人の上位2人が出場できるため、来週の全米プロゴルフ選手権は、金谷との直接対決となる。「全米プロである程度代表争いも決まってくるので、成績残せるよう頑張りたい」。

大会前の12日に25歳になった。その最初の大会で今年2勝目を挙げ、賞金ランクでも首位に立った。ゴルフ界を引っ張るニューヒーローは「今大会はアマも活躍したが、この優勝でしっかり壁となってよかった」と自信の笑みを見せていた。【桝田朗】

<星野陸也の優勝クラブ>

▼1W=ダンロップ スリクソンZX5(シャフト=三菱ケミカル・クロカゲXT70、硬さX、長さ45インチ、ロフト角9・5度)▼3W=テーラーメイド M2TOUR(16度)5W=ダンロップ スリクソンZ-TX(18度)▼アイアン=スリクソンZ583(3I)スリクソンZ945(4I~PW)▼ウエッジ=クリーブランドRTX3(52、59度)▼パター=オデッセイ ホワイトライズiX3SH▼ボール=スリクソンZ-STAR