女子ゴルフの渋野日向子(22=サントリー)が15日、GMO&サマンサ・カップ(16日~18日、茨城・イーグルポイントGC)の開幕前日会見に出席した。5月から米国で7試合を戦った約3カ月の遠征を終え、今大会から国内ツアーへ復帰。この日のプロアマ大会では古閑美保とアマチュア選手2人とラウンドしたと明かし「古閑さんとアメリカの話とかもできて、すごく楽しかった」と笑顔で振り返った。

米国から帰国後の2週間の自主隔離は13日に終わったばかり。期間中は地元の岡山の実家で過ごしていたといい「あまり調整できていないので、自分に期待せず楽にできるかなと思います。とにかく予選を通過したい気持ちもありますが、試合勘もとり戻していけたら」と意気込んだ。

今後は楽天スーパー・レディース(7月29日開幕、兵庫・東急グランドオークGC)まで国内3戦に出場し、2年前に制したAIG全英女子オープンに臨む。

その間には渋野も代表枠を争い、惜しくも出場を逃した東京オリンピック(五輪)も開催される。渋野は「代表に入れなかったのは実力不足で悔しい気持ちもありますが、今の自分にできることはやったと思うので。今は前向きに捉えています。ちょうどお休みの週なので(五輪の女子ゴルフは)TVで観戦できたらいいなと思っています」と話した。

学生時代にソフトボールにも励んでいたこともあり、同競技への興味も口にし「ソフトボールが今回、復活するので、個人的には楽しみにしています」と再び笑顔をみせた。

今大会が行われる茨城県は両親が大学時代を過ごし、出会った場所。「第2の故郷」とも語っており、これまでも茨城で試合が行われる際は両親の知り合いのもとを共に訪れる機会も多かったという。

プロ初優勝を果たした19年のワールド・サロンパス・カップが行われていたのも茨城GCと、茨城とは何かと縁がある。渋野は「やっぱり思い入れが深いなという場所ではあります。有観客開催でもあるので、気合が入るところではありますが、それでも楽しんでできたらいいなと思います」と話した。

米国遠征を終えて更新した自身のYouTubeチャンネルでは「今までに存在しない、面白いゴルファーになりたい」と抱負も語っていた。

その真意については、遠征最後の試合となった全米女子プロ選手権での経験をあげ「日本人のギャラリーさんがすごく多くて『見ていて面白いゴルフだった』と言ってくれる方がたくさんいて。強さや、うまさも必要ですけど、面白いゴルフとはあまり今まで言われることがなかったのですごく心に残った言葉でした」と語った。

今大会の第1ラウンドは同い年で現在賞金ランキング1位の小祝さくらと、東京五輪代表の稲見萌寧と同組に。「今季かなり勝ちまくっている2人なので。2人のゴルフを吸収できるものは吸収して、取りいれたいと思うし、負けないように頑張りたいと思います」と力を込めた。【松尾幸之介】