男子ゴルフの米ツアーは、16日に米カリフォルニア州ナパのシルベラードリゾート(7123ヤード、パー72)で始まる、フォーティネット選手権で新シーズンが開幕する。開幕戦には日本勢で唯一、松山英樹(29=LEXUS)が出場。米ツアーに本格参戦した13年から、3年連続で出場した開幕戦に6年ぶりに出場と原点回帰。シーズン序盤から上位進出を狙い続ける。

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20-21年シーズン最終戦から、わずか2週間で松山の新シーズンが開幕する。14日(日本時間15日)、フォーティネット選手権の予選ラウンドの組み合わせが発表され、ハドソン・スワフォード、マット・クーチャー(ともに米国)の実力者2人と同組で回ることが決まった。2週間前は、昨季を「いい試合はほとんどなかった。マスターズは良かったので、そこだけは褒めたい」と、厳しく総評。巻き返しへの強い思いをにじませ、6年ぶりとなる開幕戦出場につながった。

開幕戦には、米ツアーに本格参戦した13年から3年連続で出場した。13、14年は2年連続で3位。シード権確保へ、シーズン序盤から上位を目指していた。そんな原点回帰と同時に、現状打破の思いも見え隠れする。昨季は4月のマスターズでメジャー初優勝こそ飾ったが、トップ10入りは3度と米ツアー8シーズンで最少。新型コロナウイルス感染症対策で、帰国しても2週間の自主隔離が必要で調整が難しくなることもあり、米国に残って備えた。

今月5日まで行われた、昨季最終戦のツアー選手権最終ラウンド後は、珍しく「早く休みたい」と漏らした。昨季終盤は6連戦。しかも銅メダルをかけたプレーオフも戦った東京五輪の翌週には、米国でツアー復帰というタフな移動も伴った。そこから中1週で再びツアーへ。小平智が昨季限りで出場権を失い、世界最高峰のツアーに常時出場する日本人は1人だけとなった。第一人者の責任感も、開幕戦出場を後押しした。

26位に終わったものの、2週間前まで年間成績上位30人しか出場できないツアー選手権に、8年連続で出場した。ダスティン・ジョンソン(米国)が13年連続で出場資格を獲得し続けているが、14年大会は欠場。「出場」としては松山とパトリック・リード(米国)が来年、9年連続で新記録を樹立する可能性がある。そんな偉業のかかった21-22年シーズンを、開幕戦の優勝争いというスタートダッシュで飾るつもりだ。

◆松山の20-21年シーズン 新型コロナウイルス感染拡大の影響でツアーが変則日程だったこともあり、昨年9月、開幕2戦目に配置されたメジャーの全米オープンから出場。松山にとってのシーズン初戦は17位だった。マスターズも史上初めて1シーズンに2度行われ、異例の11月開催となった1度目は第2ラウンドを終えて6位の好位置だったが、最終的に13位。その前週のヒューストン・オープンは2位と好調だった。21年に入ってからはトップ10入りが1度もないまま、4月の2度目のマスターズで優勝。日本人男子初のメジャー制覇だった。7月の東京五輪は7人による銅メダルをかけたプレーオフに敗れて4位。その後、もう1戦トップ10入りした。