リベンジVへ、勝みなみ(23=明治安田生命)が通算8アンダー、首位と1打差2位をキープした。スタート1番でイーグルを奪い、その後3ボギーをたたいたが、終盤の連続バーディーで71。今週は、マイカー内に置き忘れた3番ウッドなしの戦いだが、首位は前週にプレーオフ負けした古江彩佳(21)。最終組の直接対決で雪辱を期す。

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飛ばし屋みなみがいきなり本領を発揮した。スタート1番パー5(512ヤード)。フォローだったとはいえ、ピンまで残り231ヤードを5番ウッド(5W)で2オンさせ、6メートルのイーグルパットを放り込んだ。「キャディーさんと“どこかでイーグルが取れたら”と話してはいたけど、1番でビックリ!」。強風が吹くコースで2打の貯金を作り、71につなげた。

今週の勝のキャディーバッグの中で、5Wはドライバーに次ぐ長いクラブだ。3Wは、ない。都内にある車に忘れた。用具契約を結ぶダンロップスポーツにスペアを頼めたが「もうこれ以上、クラブを増やしたくなくて」と頼まず、代わりに4番アイアン(4I)を入れた。

5Wで第2打が届かないパー5は「3打目勝負でいいか、と思って」と割り切るつもりだったが「今日の12番(パー5)とかは“3Wなら乗るのになあ…”と思ったり。欲しいのに、ない。まあしょうがないです」。笑って説明する姿に、深刻さはない。その図太さが勝の強さだ。

実際、3Wが必要ないほど飛んでいる。この日、パー4の第2打で握ったクラブで1番長かったのが、7I。それも「18番で残り140ヤード。アゲンストだから7Iだけど、通常なら9I」という。打ち下ろしとはいえ、391ヤードの13番は1Wでフロントエッジまで50ヤード地点に運んだ。圧倒的パワーゴルフだ。

最終日は燃える。前週プレーオフで負けた古江が首位にいる。「職人みたい。フェアウエーに第1打を置いて、第2打を打って、パットで入れる。狙ったところに置いて、置いて…。しかも大事な場面でピンを狙える強さもある」と相手をたたえるが、自分だって負けてはいない。「私は古江ちゃんとまた違うゴルフ。(1Wで飛ばして)ショートアイアンでどんどんバーディーを狙います」。

奇跡のリーグ優勝を狙う阪神タイガースの動向は相変わらずチェックしている。この日の会見前、関係者の携帯電話を見て「ヤクルトが(巨人に)4点差で負けてたんです。こないだ阪神が勝って、ヤクルトが負けて、0・5ゲーム差になって…。阪神も勝って、私も勝って」。公私ともやる気満々の勝に、1打差はあってないようなものだ。【加藤裕一】