東京オリンピック(五輪)銀メダリストで賞金ランク首位の稲見萌寧(22=都築電気)が、腰痛と闘いながら優勝争いに加わってきた。24位から出て6バーディー、1ボギーの67、通算6アンダーで首位と4打差の5位に浮上。19年全英女子オープン優勝の渋野、今年の全米女子オープン覇者の笹生との豪華ラウンドで存在感を見せた。賞金ランク3位の小祝が10アンダーで単独首位をキープ。同2位の古江が9アンダーで2位に浮上した。
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腰痛でも精密機械のようなショットとパッティングは健在だった。稲見は開始1番パー5で第3打をピン手前2メートルにつけバーディー。続く2番でもアプローチをピン右2メートル、3番パー3でも第1打をピン奥1メートルにつけ、3連続バーディー。前半だけで5バーディー。後半も1バーディー、1ボギーとまとめ、6アンダーでフィニッシュした。
前週の試合を欠場したように本調子ではない。「(腰の状態は)昨日より悪化して、今日の朝は練習場で打てなくて、プレーができないかな、回りきれるか心配だった」と打ち明けた。ラウンド前と折り返し点で2度痛み止めをのみ、プレー中も、ティーショットを打ったあとに、ティーグラウンドの横でしゃがみ込んだ。「痛みは言葉ではいい表せないほど、1カ所ではなく広範囲でズキズキしたり、固まって動かない感じがしたり」と痛みの状態を説明した。
同組で回った渋野や笹生との談笑や、高レベルの技術の競い合いが助けにもなった。「楽しく回れたのが良かった」と緊張と笑顔の緩急が、ショットの状態が「6割いっているか」という苦境の稲見にプレーを続けさせる力となった。
残り4試合で賞金女王争いは、約1700万円差の2位古江、約3700万円差の3位小祝との激しい戦いが続く。今大会は優勝賞金3300万円で、この後も高額賞金の大会も残っている。「あと2日、最後まで回り切れたら。賞金女王がメインで頑張るわけではなく、目の前の試合に集中するのがいっぱいいっぱい」と悲壮な決意を口にした。【桝田朗】

