15、16年賞金女王の実力に加え、愛らしい笑顔で多くのファンに愛されたイ・ボミ(33=韓国)が、事実上、日本ツアーの第一線から退く意向を示した。バーディーなし、3ボギーの75で回り、通算3オーバー、219で26位となった試合後に会見。今大会が今季最終戦で、来季の出場資格を争う予選会に出場しないことを明かした。さらに「体的にも精神的にも、しんどかった。心が折れちゃうと思った。自分の時間を大切にしたい」と話し、会見後に涙を流した。

昨年と統合された今季は28試合に出場したが、トップ10入りは1度だけ。それでも随所で2年連続賞金女王に輝いた当時を思わせる、キレのあるショット、絶妙なグリーン周りの技術を見せた。だが新型コロナウイルス感染拡大の影響で、来日できずに出遅れ、調子も上がらなかった。賞金ランキング82位、メルセデスランキング84位で、ともに50位までに与えられるシード権は獲得できず。18年以降は優勝から遠ざかる。日本ツアーで丸10年の今年を最後に、継続的な参戦に一区切りをつける。

それでも年間8試合までの推薦出場で、日本ツアーには今後も出場予定だという。「最終ホールでカメラマンさんが大勢来て、引退みたいな気分になりましたが、来年もちょこちょこ試合には出ます」と、流ちょうな日本語で話して笑った。

◆イ・ボミ 1988年8月21日、韓国・水原市生まれ。12歳でゴルフを始め、07年にプロ転向。10年に韓国ツアーで賞金女王となり、11年から日本ツアー参戦。12年のヨコハマタイヤPRGRレディースで日本ツアー初勝利を挙げ、15年には年間7勝し、2億3049万7057円で国内男女ツアー史上最高額を稼ぎ賞金女王。16年にも5勝し2年連続賞金女王。国内通算21勝。19年に韓国の俳優イワンさんと結婚。158センチ。