逆転は許さない! 賞金ランキング1位の稲見萌寧(22=都築電気)が69と3つスコアを伸ばし、通算1アンダー、215で23位から15位に浮上した。持ち前の正確なショットを随所で披露し復調気配だ。同2位の古江彩佳は首位から2位に後退し、首位三ケ島かなとは3打差。稲見は古江との差を第2ラウンドの9打から5打に縮め、前日までの逆転賞金女王誕生ムードに待ったをかけた。

最終ラウンドの爆発を予感させる、2度の3連続バーディーだった。稲見は2番パー5で、11メートルのパットを沈めて最初のバーディーを奪うと波に乗った。3番では5メートルを沈め、4番は第2打を1メートルにつけて伸ばした。要所で正確なショットを披露。腰痛の影響もあり、前半のうちに3つの貯金は失ったが、後半も11番から3連続で伸ばした。今季も残すは1日だが「大事な試合であってもなくても、明日は明日。特別な感情はない。冷静でいられる順位なので」と、笑顔で話す余裕を見せた。

初出場の一昨年は30位、昨年は15位で「最難関」と位置付ける、苦手コースを初めて60台で回った。何よりも、最多の7バーディーで復調気配を見せた意味は大きい。古江が現状の単独2位で終えた場合、稲見は単独13位以上で賞金女王が確定。稲見の復調ぶりを考慮すれば、古江は自力で優勝を目指さなければならない状況に追い込まれたといえる。

ここにきて、約1697万円の賞金差が存在感を増している。この日の三ケ島のように“援護射撃”を受ける可能性もある。「最終日はアンダーが目標」。自然体で女王の座をつかむ。【高田文太】

◆賞金女王争い 最終戦に持ち越された。2人に絞られ、差は約1697万円。古江に逆転戴冠の可能性があるのは「単独2位(賞金1800万円)以上」の場合のみ。古江が優勝して稲見が3位以下、または単独2位で稲見が単独14位以下の場合、逆転賞金女王となる。