渋野日向子(23=サントリー)が猛チャージで、来季米ツアーの出場権内まで入ってきた。72位の圏外から7バーディー、1ボギーの66をマーク。47人抜きで25位に浮上した。古江彩佳(21=富士通)は69の9アンダーと伸ばし、首位と3打差の5位につけた。72ホールを終えて70位タイまでが翌週の4ラウンドに進み、45位までの来季出場資格を争う。

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多くの日本人ギャラリーの前で、しぶこ劇場が幕を開けた。1番で第2打をバンカーに入れボギー発進も、3番パー4では、第2打をピン横2メートルにつける好アプローチ。きっちり決めて最初のバーディーを奪うと、猛チャージが始まった。

4~7番と惜しいパットを決めきれなかったが、パッティングの感覚を徐々に取り戻した。8番パー3で、5メートルの下りのスライスを絶妙なタッチで決めると、続く9番では持ち前の強気のパットで5メートルを決めきった。前半のうちに通算スコアをイーブンに戻し、後半は4バーディー。この日ベストスコアの66で一気に25位まで浮上した。

「スタートからこけてしまったけど、その後は切り替えて。昨日、一昨日のリベンジをしようと思ったので、最終的に6つ伸ばせてよかった」と笑顔で振り返った。第1、第2日と伸び悩み2オーバーで、米ツアーの出場権内70位圏外の72位。それでも、一夜で態勢を立て直し、ビッグスコアを出すところがいかにも渋野らしい。

アラバマ州は、トヨタ、マツダなど日本の自動車メーカーの工場があり、多くの日本人が応援にかつけた。渋野のショットやパットで声援が上がり、渋野も思わぬ援軍に気持ちを高めた。「試合感が出て、なんか面白いなと。本当にみなさんの応援が力になったと言っても過言ではない」とインタビューの最中にギャラリーへ頭を下げると、大きな拍手も起こった。

最終日は、第1日に73とつまずいたフォールズコース。翌週の4ラウンドを勝ち抜いて最終的に45位までが、来季米ツアーの出場権を得るが、常時出場できるのは20位以内という狭き門。この日の25位からできるだけ順位を上げ、翌週につなげたいところだ。「スコア的にいうとフォールズは苦手なので、しっかり第1日のリベンジをできるように切り替えて頑張りたい」と勝負の1日へ決意を語った。