さあ、今年こそだ。5年連続5度目出場の辻田晴也(28)井坂直樹(45=ともに泉佐野)組が首位と2打差5位の好位置につけた。この日は1イーグル、3バーディー、1ボギーの68。過去4大会は4、3、10、5位とすべてトップ10フィニッシュ。狙いはもう優勝しかない。田中勇人・吉川拓哉(ともに伏尾)が6アンダー、66で首位。田中政佳(交野)木ノ下誠司(メイプルヒルズ)組ら3組が67で1打差2位にいる。

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井坂より17歳下の辻田の3パット・ボギーで始まった5年連続5度目の挑戦は、前半15番パー5(500ヤード)で流れが変わった。辻田が「自称280ヤード」というドライバーショットをさく裂させ、残り230ヤード。3番ウッド(3W)でピン1・5メートルに2オン、イーグルを奪った。

「3Wのスリークオーターショットです」とご満悦の辻田は、井坂の「ウソつけ! フルショットやないかい!」というかぶせ気味のツッコミに「ははは…」と笑った。

18番パー5のバーディーは、残り230を3Wでグリーン左奥バンカーに入れ、第3打をピン1メートルに。3番パー3は実測192ヤードを4番アイアンでピン7メートルに。最終9番パー4は残り140ヤードをピン2メートルに。イーグルに加え、3バーディーも全部、辻田が決めた。一見、辻田の独演会。しかし、井坂の「辻田クン、僕が必死でパーとって、サポートしたんやで。バーディーパットも君のために“バント”してんで」という主張に、辻田は「そうです、そうです」とうなずくばかりだった。

同じ泉佐野所属という縁でコンビ結成。今大会は昨年まで4年連続出場し、いずれも10位内の好成績を収めてきた。今年こそ“5年目の正直”で勝ちたい。派手な辻田のゴルフを、今年の泉佐野クラチャン決勝で辻田を破った井坂の手堅さが支える。「はよ勝たんと、コンビ解散もできませんわ」と井坂が笑った。【加藤裕一】

 

◆井坂直樹(いさか・なおき)1976年(昭51)6月8日。大阪府和泉市生まれ。ゴルフは近大付高で始め、大院大卒。自営業。178センチ、92キロ。ハンディ0。

◆辻田晴也(つじた・せいや)1993年(平5)6月6日、大阪府高石市生まれ。ゴルフは10歳から。和歌山医大卒で内科医として総合病院勤務。175センチ、80キロ。ハンディ1。

 

○…同じ伏尾所属の田中、吉川組がボギーなしの66で首位に立った。今年の伏尾のクラチャン決勝で田中に完勝した吉川が手堅いゴルフで3バーディー。昨年クラチャンの田中が積極的に攻めて、3バーディー。今大会予選で7アンダーまで行って、5アンダーの67に終わった。田中は「詰めの甘さを反省して、役割分担を徹底しました」。吉川がスコアを作り、田中が楽に動く。コンビプレーで逃げ切り優勝を狙う。

 

○…2年連続3度目の優勝を狙う芦田・千代組がやや出遅れた。1アンダー、71で首位に5打差19位。チャンスは多かったものの、2バーディー、1ボギーと伸び悩んだ。千代は「とにかくパットです。何度カップをなめたかわかりません」。年長の芦田も「カップ脇をスッと抜けるんです」。転がりの良さでは全国有数、ABCGC名物でもあるグリーンに苦しんだ。

 

○…胸にでっかく「FAIRY(妖精)」と入ったペアルックで53歳澤井、51位村井が8位につけた。前半3番のボギー先行を村井が6、7、16番、最後は澤井が17番でバーディーを奪って69にまとめた。

約20年前、一緒にゴルフを始め、船釣りも一緒に楽しむ。“大人の幼なじみ”のような2人に遠慮はない。ABCGC名物の18番パー5。「3オン狙いでいこや」と話し合ったのに、第1打の良かった澤井は魔が差し、池越え2オンを狙い、見事池に捕まった。おかげでパー。「ほんま、向こう岸に全然届かんミス」と嘆く村井に、澤井は「つい狙ってしもて…」。やかましめの妖精コンビがかみ合えば、首位との3打差逆転も夢じゃない。

 

○…南親子ペアが父佳伸の4連続バーディーで5位発進した。13番のチップインを皮切りに14番で3メートル、15番で1メートルのチャンスを決め、最後は16番で15メートルのロングパットを放り込んだ。「いや4連続いうのは、ちょっと記憶にないです」と本人も驚いた。一方、息子の富貴はスタート10番の3パットなど2ボギー、18番パー5で3メートルのイーグルチャンス逃しのバーディーなどいまひとつ。「明日は僕が」と父を助けるつもりだ。

 

〈主催〉日刊スポーツ〈後援〉関西ゴルフ連盟〈協賛〉ブリヂストンスポーツ〈協力〉ABCゴルフ倶楽部