女子ゴルフの渋野日向子(23=サントリー)が、3月3日にシンガポールで開幕するHSBC女子世界選手権で、米ツアー本格デビューすることが有力となった。22、23日に行われる新人研修「ルーキー・キャンプ」の参加義務がなくなったことが18日、米女子ツアー(LPGA)関係者の話で判明。現在日本で調整中だが、今月中に渡米する必要がなくなった。米国での開幕3戦は現時点で出場資格がない。出場ゼロで帰国後、新型コロナウイルス感染症対策の10日間隔離だけ課される最悪のケースを避け、3月に照準を合わせる。

<展望>

米女子ツアーは20日(日本時間同日夜)開幕のヒルトン・グランドバケーションズ・チャンピオンズから11月20日終了のCMEツアー選手権(ともにフロリダ州)まで34試合が行われる。

畑岡奈紗と笹生優花にはメジャー制覇、ポイントで争う最優秀選手、日本勢では1987年の岡本綾子以来となる賞金女王などビッグタイトルの期待が懸かる。

参戦6年目となる23歳の畑岡にとって、メジャー制覇は悲願だ。昨年は全米女子オープン選手権で笹生とのプレーオフに敗れたが、正確なショットを土台としたゴルフの完成度は高く、ツアー2勝で賞金ランキングは3位。上位に顔を出し続けて勝機をつかみたい。

メジャー2勝目を目指す笹生は成長途上の20歳。飛距離は昨季ツアーで12位と上位で、特に勝負どころでの力強さは非凡だ。小技がかみ合えばチャンスは十分にある。

思い切りの良さで2019年にAIG全英女子オープンを制した23歳の渋野、小技が巧みな昨季日本ツアー最優秀選手の21歳、古江彩佳は最終予選会を経て出場資格をつかんだ。ともに地力はあるだけに、早い段階で環境に適応して持ち味を発揮したい。

ツアーの中心は、飛距離と技術のバランスが良い東京オリンピック金メダリストで世界ランキング1位のネリー・コルダ(米国)。韓国勢は一時の勢いこそないものの高真栄は安定感が高く、リディア・コ(ニュージーランド)らとともに上位をにぎわせそうだ。