昨年の全米女子オープンを制した笹生優花(20=ICTSI)が、米ツアー2勝目へ3打差5位につけた。7位から出て5バーディー、1ボギーの68。通算10アンダーとして5位に浮上した。畑岡奈紗は1バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの76と崩れ通算2オーバーの20位へ後退。N・コルダ(米国)が13アンダーで首位を守った。

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笹生の笑顔が調子の良さを物語っていた。10アンダーと伸ばして迎えた終盤。17番パー3では、ティーショットをグリーン右の深いラフに外し、アプローチもカップを5メートル以上オーバー。この日最大のピンチを迎えたが、長いパットをねじ込んでスーパーパーセーブ。グリーン上で笑顔がはじけた。

「前半の2日間に比べてパットが良かったし、ティーショットも真っすぐ飛んでくれたのが良かった。良くパットが入った」。前日の後半に乱れたパッティングを1日で修正。前半はそのパッティングと、正確なショットで3つのバーディーを奪った。後半も、13番でボギーをたたいたものの、15番、16番と連続バーディー。雨が降り気温12度と寒く、時折吹く強い風。そんな悪コンディションで、逆にグリーンで球が止まることを想定し、ショットでピンをねらって、スコアを伸ばしていった。

メジャーリーガーで、ナックルボールを武器にレッドソックスなどで200勝を挙げた元投手のティム・ウェイクフィールド氏(55)、レンジャーズなどで活躍した元捕手のA・J・ピアジンスキー氏(45)とのラウンド。その2人とひそかにドライバーの飛距離で争っていた。「本当に飛ぶので、自分も負けないように頑張ったんですけど、当たると超飛んだので何ホールか負けました」と飛ばし屋の意地ものぞかせた。

昨年は全米女子オープンで優勝し、米ツアー参戦の権利をつかんだ。今年からが本格参戦となるが、その開幕戦でいきなり米ツアー2勝目のチャンスがめぐってきた。首位のN・コルダ(米国)は昨年東京五輪の金メダリスト。上位にはビッグネームがひしめくが「3差はあまり気にしません。自分のゴルフに集中して、ベストを尽くして良いゴルフをするだけ」と決意を口にした。