前週の開幕戦を制した西郷真央(20=島津製作所)がツアー史上初、開幕から2戦連続優勝を射程にとらえた。

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4打差の12位から出て、首位の植竹希望に1打差の2位浮上。6バーディー、ボギーなしのベストスコア66で、通算9アンダー、135と6つ伸ばした。昨年は予選落ちが3試合だけだったが、1試合は今大会。難コースで成長を実感し、自信をみなぎらせた。初優勝からの連勝は過去に90年西田智慧子、05年表純子の2人だけ。快挙ずくめの2勝目が、目前に迫ってきた。(記録は全て88年のツアー制施行後)

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1年間の経験と成長が、集大成となって表れた。西郷は2番パー3で、ティーショットを2メートルにつけてバーディー先行。その後もピンチはなく、5メートル以内のチャンスにつけたバーディーパットを随所で決めた。3番パー5こそ「ラッキーだった」と第3打のアプローチミス後、7メートルの第4打をパターで沈めて伸ばした。昨年は7度も2位に入りながら未勝利。相次ぐ不運に比べればこの日の「ラッキー」はわずかなもの。今週勝てば史上初の開幕2連勝という快挙へ、成長したショットで好位置につけた。

西郷 「この会場に到着した時は『予選落ちした試合だな』というのが第一印象。そこから練習ラウンドとプロアマ戦を回り『去年の自分とは違う』と分かった。(昨年の結果は)気にならなくなった。プロになった昨シーズンは、ほとんどの試合に出た。(昨年とは)経験値が違うと思っていた。先週優勝したことよりもそこが去年と違う」。

会見での西郷は自信に満ちていた。昨年との違いは数字にも明確に表れた。2日間通算で、4オーバーだった昨年から13打も伸ばして9アンダー。スコアは気候などで大きく変わるが、何よりも第2ラウンド終了時点の順位は、昨年の63位から2位へと飛躍した。

初優勝した前週は、師匠の「ジャンボ」こと尾崎将司から「早めの2勝目を期待する」とのコメントが発表された。第2の課題を、師匠も驚く早さでクリアできる目前に迫った。開幕直前まで、多くの男女プロが育った通称「ジャンボ邸」で練習。「素晴らしい環境で練習させていただいているので、結果で恩返ししたい」と、1勝では物足りないと、西郷も思っている。

尾崎からもらった特製の素振り棒は、今季から1本加えて計2本となった。2本とも前週から持参し、欠かさず練習で振ってきた。2本の重さの違いは約100グラム。わずかな差だが「重めの方はしっかりと振る練習、軽めの方はヘッドスピードを上げる練習」と使い分ける繊細さは、まさに師匠直伝の感覚だ。それがショットの正確性という武器になった。2勝目は記録もかかるが「気にせず『そんな記録も出せたんだ』となれば」と無欲。偉業が近づいている。【高田文太】

◆開幕2連勝 西郷真央が優勝すれば、国内女子ツアー史上初となる。米女子ツアーでは宮里藍が10年2月に開幕戦ホンダPTT・LPGAタイランド→HSBC女子チャンピオンズで達成。同ツアーで44年ぶりだった。

◆ツアー初優勝から2週連続V 過去2人。西田智慧子(90年宝インビテーショナル→富士通レディース)、表純子(05年シャトレーゼクイーンズカップ→スタンレーレディース)が達成。畑岡奈紗は16年にアマチュアで1勝後に、17年ミヤギテレビ杯ダンロップでプロ転向後の初優勝を果たし日本女子オープンで2戦連続V。

▽70で3打差4位と踏ん張った永井 明日は天気がちょっと悪いようなので、耐えていればチャンスは全然あると思う。調子はそこまで悪くない。優勝目指して頑張ります。