石川遼(30=CASIO)が自己最長ブランクとなる5カ月半ぶりの復帰戦を、首位と5打差35位でスタートした。9番アイアンに代えて投入した新兵器・43度のウエッジが10ヤードも飛びすぎ、新規定で長さを45・75インチに戻したドライバーの曲がりにも苦しんだ。試運転段階のゴルフで2バーディー、1ボギーの1アンダー、70にまとめた。上井邦裕(39)杉山知靖(28)が6アンダーで首位に並んだ。

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満足はしていないが、納得はしている。石川は「緊張して、かなり硬いスタートでした。ピン近くにつくチャンスが少なく、我慢しました」。昨年10月に米国から帰国後、自主隔離期間中の違反行動があり、約5カ月半ぶりの実戦。コメントこそ、16年の腰痛離脱による約5カ月を上回る最長ブランクを感じさせたが、口ぶりはいつも通りの石川遼だった。

9番アイアンに代えて投入した新兵器・43度のウエッジは後半1番パー4、残り150ヤードの第2打で使ったが、キャリーで160ヤードも飛んでしまった。「8番と43度の間の距離。かなりしっかり振って、いいショットだったんですが」。半年弱の間の筋力アップ、改造に伴うスイングの変化。「番手のMAX(の距離)をつかんでいかないと」と話した。

左曲がりが目立ったドライバーも新クラブだ。ヘッドは契約するキャロウェイ社のローグST MAX LS。クラブは長さが46インチ以内と定められたため、昨季後半からの47・5インチを元の45・75インチへ。初めてフジクラ社製のシャフトをさした。さらに前日30日は腰の違和感、トレーニングによる右手首の痛みで練習せず、療養に努めた。「体は昨日休んで、もう大丈夫」と明るく語ったが、体調も万全ではない。

試運転のアンダーパーラウンド。現状が認識しているからこそ、焦りもない。「最後の5ホールぐらいはいい感じになってきたので、それを明日も続けられるように」。慌てず調子を上げていく。【加藤裕一】