新世紀世代(01年度生まれ)の山下美夢有(20=加賀電子)が午前組で8バーディー、64をマーク。14年大会の勝みなみらが記録した大会コースレコード65を更新した。

「プレーが終わってから知りました。本当に自信になります。1番良かったのは(アイアンの)距離感が良く、それがパットにつながってくれたと思う」。

12番パー5の第3打、残り126ヤードを9番アイアンで20センチにつけたのを筆頭に、8バーディー全部がピン5メートル以内のチャンスにつけたもので、堂々とコースを攻略してみせた。

先週まで出場3戦連続で予選落ちした。コロナ禍で20年の“開幕戦”になったデビュー戦アース・モンダミンカップからの3戦連続に並ぶ自己ワーストタイ。「気持ちを切り替えて、スイングリズムだけ気をつけて」。ドローヒッターだが、出球から左に出て球が低く、グリーンに止まりにくくなっていたことを、トップでためを意識することで修正した。

今週は大阪から家族が応援に駆けつけている。この日は母有貴さんの46歳の誕生日だった。昨年は靴を贈るなど毎年何かプレゼントを渡している。今年は「アクセサリーとかにしようと思うんですが、まだ勝ってないんです」と苦笑いしたが、目の前でビッグプレーを見せたことが何よりの贈り物になる。

同期の存在は気にしている。昨年全米女子オープンを制した笹生優花、今季7戦4勝と大ブレーク中の西郷真央とは仲がいい。同時によく「ライバル」と口にする。「私は私で自分のプレーをしっかりすること」。11~12アンダーと予想する優勝スコアに対し、1日で3分の2まで到達。「今日がノーボギーだったので、残り3日もノーボギーでいけたらいいですね」。昨季86ホール連続ノーボギーのツアー記録を樹立した。初の国内メジャー制覇へ、山下はミスなく堅実に歩みを進める。