西村優菜(21=スターツ)が今季初勝利、通算5勝目を挙げた。首位から出て、一時は2打差の2位まで後退したが、後半に5年ぶり2勝目を目指した森田遥に追いつき、競り勝った。

首位から出て6バーディー、ノーボギーの66。通算17アンダーはトーナメントレコード。3日間ノーボギーでの優勝は史上12人目と、記録ずくめの優勝だった。

西村はチャンピオンスピーチで「なかなか勝てない時期もあったんですが、苦しい時間も、今日の優勝があるので、いい時間だったと思いたいです。今シーズンの目標は複数回優勝することなので、まだまだ、皆さま熱い応援をよろしくお願い致します」などと、話した。

スタートの1番パー5では、グリーン前花道からの第3打をピン手前50センチにつけるスーパーショットでバーディー発進。4番でもバーディーを奪い、森田と首位を並走。その後2バーディーを奪った森田に前半2ストロークのリードを許した。

それでも後半開始の10番パー5でバーディーとして1打差に迫ると、14番では3メートルのパーパットをねじ込みガッツポーズ。15番では6メートルのバーディーパットを決めて、ボギーをたたいた森田を抜き去った。

その後も精密機械のようなマネジメントで、17、18番でバーディー。見事なラストスパートもかけ、勝ちきった。

今季は優勝のチャンスがありながら、なかなか勝ちきれなかった。

開幕戦で3位、第3戦のTポイント×ENEOSでも2位に入った。4月のKKT杯バンテリン・レディースでは最終日首位で迎えながらプレーオフで植竹希望に敗れた。

そんな中、今季目標に掲げたメジャーの全米女子オープン出場を果たした。予選落ちだったが、メジャーの舞台で優勝したミンジ・リー(オーストラリア)など、強豪からメンタル面での学びもあった。「米ツアーに出ている人たちはすごく淡々とプレーしている。米国で(メンタルの考え方が)変わった」と手応えを話していた。

今回の優勝で、現在49位の世界ランキングの上昇も確実。6月までに50位以内にいれば獲得できるエビアン選手権や全英女子オープンの出場もほぼ確実にした。