愛称「キンクミ」で知られる金田久美子(32=スタンレー電気)が、首位に2打差の単独2位に浮上した。4打差の9位で出て、4バーディー、1ボギーの69で回り、通算5アンダー、211。池渕富子が持つ11年210日に続く、11年63日ぶりとなる史上2番目のブランク優勝を目指す。ささきしょうこが7アンダーで単独首位をキープした。

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デコルテ部分がシースルーの白いウエア。華やかなファッション以上に金田のプレーが光った。強風の中、アンダーパーは79人中10人。その中でベストスコアの69をたたき出した。「今日は60台で回れたので大満足です」と笑顔を見せた。

天才少女ともてはやされ、その後はギャルとゴルファーを合わせた「ギャルファー」を自称。そんなキンクミも「自分の年と向き合っている」と明かした。

疲労を感じたら練習をしなくなった。「前は腰が痛くても練習やトレーニングしなくてはと。それで余計疲れたり、腰を痛めたり。休むのも勇気。それが最近できるようになった」。年齢を感じることも多い。「風とかいろいろ考えながら18ホール回ると疲れますね。昔は9、10時間寝られたのに最近は7時間で目が覚めちゃう」と明かした。

一方、年齢を重ねたからこそできたこともあった。大会前日の練習日。初めてクラブを替えた。ウエッジ3本中、54度を52度に入れ替えた。「54度では85ヤードまで。今週は100ヤード以内が多いと思ったから」と説明。「昔は失敗したら後悔するから、新しいことが苦手だった。今は考えるようになり、前向きというか、年を取ってできたのかな」。心境の変化をのぞかせた。

11年フジサンケイ・レディース以来のツアー2勝目に向けてチャンスは十分。「明日も風が吹くと思う。無理せずパーを狙って耐えるゴルフを目標に頑張りたい」。一方で「昔のイケイケというか、強気な感じが私の中でなくなっている感じもしなくない。キツい部分が抜けた気もする」と苦笑い。「もうちょっと強い気持ちを持ってプレーしたい」と気合を入れた。

関係者によると、父・弘吉さんも今季初めて来場予定。22日に79歳になったばかりの父に2勝目を贈る。【近藤由美子】

◆金田久美子(かねだ・くみこ)1989年(平元)8月14日、名古屋市生まれ。クラーク記念国際高卒。3歳から競技を始める。98年に8歳で世界ジュニアを制し、タイガー・ウッズと並ぶ年少記録を樹立するなど天才少女として知られた。昨季は日本女子オープン7位と健闘も賞金ランク72位、ファイナルQTは87位。今季前半戦はフル出場できず今大会は主催者推薦出場。166センチ。血液型A。

○…国内ツアー3勝のささきは4バーディー、3ボギーの71で回り、通算7アンダーで単独首位をキープした。「今日も風が強かったので、イーブンだったら100点満点。1つでも伸ばせて良かったです」。最終日最終組について「だいぶ前になっちゃいますが、雰囲気を楽しめたら」。約4年ぶりの優勝に向けて「風が吹いたら、ノーボギーで回ることがほぼ難しい。ボギーでも焦らず、チャンスが来るまで待てたら」と意気込んだ。

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