35位から出た畑岡奈紗(23=アビームコンサルティング)が、ベストスコアの69をマークし、5位に食い込む意地を見せた。4バーディー、1ボギーで3つ伸ばし、通算1アンダー、287。ホールアウト時点では9位だったが、この日、アンダーパーで回ったのは、畑岡を含めて4人だけという高難度のセッティングに、上位陣の多くもスコアを崩した。プレーオフの末、笹生優花に敗れて2位だった昨年6月の全米女子オープン以来、1年ぶりとなるメジャーのトップ10入りを果たした。

インコースの前半は、2ホール目の11番パー5でバーディーを先行させた。バンカー越えのアプローチとなった第3打を、1・5メートルに寄せて伸ばした。だが14番パー4で第2打をグリーン左のラフに入れ、第3打を寄せられずにボギー。1バーディー、1ボギーとスタート時点と変わらず、2オーバーで折り返した。

後半も4番パー4でバーディーが先行した。下りの7メートルという、難しいパットを決めて伸ばした。さらに、ともにパー5の第3打を、6番では2メートル、9番は1メートル足らずにつけてバーディー締め。後半はボギーなしで3つ伸ばした。

ホールアウト後は「大会を通しては、なかなか自分の思うようなスイングだったり、ショットが少なかったかなと思いますけど、今日、風も出てきたコンディションの中で、アンダーパーに戻して試合を終えることができてよかったです」と、納得している様子で振り返った。続けて「さすがにピンポジションも、最終日ということで、難しいところに切ってきましたけど、攻めるところと、しっかりとパーセーブするところを、うまく分けてできたかなと思います」と、コースを攻略しての好スコアに胸を張って話した。

「6番で、スコアボードとか、最終組が前でプレーしていたので、いろいろと見る時間があった。『最終組でもスコアを落としているんだな』というところで、アンダーで終われたら、トップ10も見えてくるのかなと考えていた。そこ(6番)から2バーディーを取れたのは大きかったと思います」と、通算スコアでアンダーパーに伸ばすという、目標通りのプレーに胸を張った。さらに「4日間を通して、なかなかチャンスにつけられないことが多くて、特に(75と3つ落とした)昨日のラウンドが本当に悔しいですけど、最終的に昨日の目標として、今日(最終ラウンド)はアンダーで終わるという、最低限の目標はクリアできたかなと思います」と続けた。

5大メジャーのうち、米国での3試合を終え、残るメジャー2戦は欧州開催となる。次戦はそのメジャー第4戦、エビアン選手権(7月21日開幕、フランス)の予定。「3週間オフがあるので、1回、自分の中で、良くなった感覚のところがあるので、そこをしっかりと安定して、これから後半のシーズンに出していけるようにしたいと思っています」。試合出場のない間も、練習に時間を割く計画。「良くなった感覚」を、安定して発揮できるよう、体に覚えさせてメジャー初優勝をつかむつもりだ。