青木瀬令奈(29=フリー)が今季初勝利、ツアー通算3勝目を挙げた。

首位から出て6バーディー、3ボギーの69。通算14アンダーで、トーナメントコースレコードの64をマークした黄アルムらの追撃を振り切った。

序盤はいきなり1番、2番と連続ボギーで4位に後退。しかし、3番パー4で第2打をピン手前4メートルにつけ、これを決めてバーディー。続く4番パー4で連続バーディーで、スタートの11アンダーに戻すと、7番パー5で第3打をピン手前3メートルにつけバーディーを決めた。

前半を35で折り返すと、勝負のサンデーバックナインで圧巻のプレーを見せた。10番パー4では、グリーン奥ラフからチップインバーディー。続く11番パー3では、ティーショットをピン20センチにつけるスーパーショットで連続バーディー。さらに12番パー4で3連続バーディーを決め、この時点で2位の黄アルムに3打差をつけた。その後は17番でボギーをたたいたものの、安定したゴルフで2打差で逃げ切った。

青木の優勝は、昨年のサントリー・レディース以来。メルセデスランキングでは5位に浮上した。

トーナメントコースレコードの64をマークした黄アルムが12アンダーで、吉田優利、4バーディーの菊地絵理香とともに2位。65で回った大出瑞月や勝みなみ、山下美夢有らが11アンダーで5位に入った。

○…青木が通算14アンダーの274で大会記録を2打更新した。従来の記録は19年大会の渋野日向子とイ・ミニョン(韓国)で、12アンダーの276。19年は12アンダーで並んだプレーオフの末、渋野が優勝した。

○…菊地が3人が並ぶ2位となり、賞金872万円を獲得して、史上23人目の生涯獲得賞金6億円を突破した。5位から出て4バーディー、ボギーなしの68と4つ伸ばし、通算12アンダーとして吉田、黄と並んだ。単独4位以上で6億円を突破する状況で今大会を迎えていただけに「(いろいろと)言われるので、突破しなきゃダメなのかなと、ずっと気にしていた」と笑った。これまで獲得した賞金は「ほとんど残っていない」と第3日に明かしていた。

○…24位から出た大出が、65のビッグスコアで、今季初のトップ10、5位に入った。7バーディー、ボギーなしで通算11アンダー。最終組よりも1時間40分前にスタートし、7つ目のバーディーを奪った14番終了時点で6番を終えた青木と並んで首位だった。2組後に出た黄が、64で回って更新するまで、大会コース記録にも並んでいた。「昨日4オーバーだったので、その分を取り返そうと4アンダーが目標だった」と、予想以上の好スコアに笑顔が止まらなかった。

◆青木瀬令奈(あおき・せれな)。1993年(平5)2月8日、前橋市生まれ。名前は、両親が音楽家で「セレナーデ」から。ゴルフは7歳から。前橋商高卒業後、11年にプロテスト合格。15年に賞金ランキング27位で初シードを奪取。20年から日本女子プロゴルフ協会で選手会長的なプレーヤーズ委員長に。宝塚歌劇ファン。153センチ、50キロ。

▽従来の記録を1打上回る64で回り、大会コース記録更新の黄アルム うれしい! (新記録とは)知らなかった。でも最近はみんなうまいから、64~66はけっこう出ますよね。そのうちの1人というだけですよ。

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