堀川未来夢(29=Wave Energy)がツアー通算3勝目、国内メジャー2勝目に王手をかけた。4人が並ぶ首位から出て、8バーディー、1ボギーの64と7つ伸ばして回り、通算14アンダー、199。ベストスコアをマークし、頭一つ抜け出して最終日に臨む。同じ首位から出た嘉数光倫(かかず・てるみち)は3打差2位、安本大祐は5打差の3位。

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横一線、3人全員が首位から出た最終組で、堀川が早々と頭一つ抜け出した。1番パー5で第3打を1・5メートル、2番パー4で第2打を2・5メートルにつけて連続バーディー発進。3番パー4は、グリーン左のバンカーからの第3打を寄せきれなかったが、勢いは止まらなかった。7メートルのパットを決めてパーセーブ。6番パー4は第2打を1メートルにつけ、8番パー4はピンまで5メートルのカラーからパターで沈め、さらにバーディーを2つ重ねて折り返した。前半終了時点で同組の安本を2打差の3位、出水田を3打差の4位に退けていた。

1つ前の組でプレーする嘉数と並ぶ、11アンダーで突入した後半も伸ばした。14番パー4では10メートルのパットを決めるなど、随所で満面の笑みを見せながらプレー。前半で4つ、後半で3つと順調に伸ばし、2位の嘉数にも3打差をつけた。

会場のグランフィールズCCがある静岡・三島市は、日大時代に4年間過ごし「第2の故郷」という慣れ親しんだ地だ。同CCで練習した回数は数知れない。食べ盛りの時期に、おなかいっぱい料理を振る舞ってくれた、なじみの店は「日数が足りない」と、1週間では回りきれない。今大会は「応援してくれる人は多いけど、変なプレッシャーはない。応援に応えたい」という。恩に報いたい思いが、好プレーにつながっている。

首位で出てベストスコアで突き放す理想の展開で、19年のツアー選手権森ビル杯以来となる、国内メジャー2勝目に王手をかけた。「最終日の目標スコアは3アンダー」。難セッティングの今大会で目標スコアを出せば、2位の嘉数が6アンダー以上、3位以下なら8アンダー以上が必要。限りなく逆転は厳しい。最後まで手綱を緩めず、逃げ切るつもりだ。【高田文太】

 

○…首位から出た嘉数は、後半に伸ばせず3打差2位から、逆転でツアー初優勝を目指す。2番パー4で、第2打を3メートルにつけて最初のバーディーを奪うと、ピンまで20ヤードのラフからチップインで沈めた4番パー3から3連続バーディー。前半で4つ伸ばし、堀川と並んで折り返したが、後半は1バーディー、1ボギー。後半の差が、そのまま堀川との3打差となった。それでも「追いかける立場はやりやすい。『日本』と名の付くメジャーに勝つのは名誉。何が何でも勝ちたい」と、力強く逆転を誓った。