19年の大会覇者、鈴木愛(28=セールスフォース)が今季初優勝に向け、首位スタートを切った。

7バーディー、ノーボギーの65で回り、上田桃子とともに首位に立った。昨年王者の古江彩佳と小祝さくらが1打差の3位。渋野日向子は75で71位と出遅れた。

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19年の賞金女王、鈴木に晴れやかな笑顔が戻った。コロナ禍の20年からもがき苦しんだ状況を払拭(ふっしょく)するような会心のゴルフ。「10アンダーぐらい余裕で出していたなという内容」という表情も自信に満ちあふれた。

序盤はショットが荒れたが、4番で体が左に開いていることに気づいて調整した。さらに前日に動画を撮り、打った後のフォローが小さくなっていたパッティングも修正。この2点を直したことで歯車がかみ合った。前半だけで4バーディーを奪い、後半も3つのバーディー。ボギーを1つも打たず「こんなにうまくいくとは思わなかった」と笑いが止まらない。

昨年は1勝こそしたが、コロナ禍で狂ったゴルフは復活できなかった。今オフ前には信念を曲げてコーチを付けた。それでも結果が出ず10月の日本女子オープン後に関係を解消。「結局、自分でやると決めた」。

苦闘が続く中、心の支えになったのはアイドルグループ「なにわ男子」。ツアーが休みの際には2度、コンサートに行った。グッズを集め、ユーチューブを見ることで気分転換。メンバーの中では高橋恭平が大のお気に入りで「結婚したい」とあこがれる。

なにわ男子の新曲「ハッピーサプライズ」が16日に発売されるが、そのタイトルに熱い思いを重ね合わせる。「ファンの人にハッピーサプライズを私も届けたい。彼らのように自分も羽ばたいていけたら」と誓った。【桝田朗】

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