ツアー通算14勝の有村智恵(34=フリー)のシード権喪失が確定した。3バーディー、5ボギーの73とスコアを伸ばせず、通算イーブンパー、142の53位。カットラインに1打及ばず予選落ちし、今季を終えた。来季のシード権が得られるメルセデス・ランキング50位以内の可能性を失った。元賞金女王の鈴木愛が通算11アンダーで首位に浮上。単独首位で出た岩井明愛は2打差4位。渋野日向子の妹で、アマチュアの暉璃子(きりこ)は最下位96位で予選落ちした。

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大会前の有村のメルセデス・ランキングは56位。来季のシード権獲得には、今大会で単独7位以上となり、同ランクで50位以内に入る必要があった。結果は1打足りずに予選落ち。「ショットもパットも両方悪かった。最後の最後にこうなるか」。ホールアウトした有村はぼうぜんと話した。昨季は賞金ランク50位で今季のシード権をぎりぎりで獲得。今季を終え、19年からの3シーズン連続を含む計11シーズンで保持してきたシード権を失った。

後半戦はケガが多くなり「足、腰、首が気になる」と満身創痍(そうい)だった。大会前に「年齢的にも、毎回不安なく元気で良い状態で臨める状態ではない」と話していた。今後については「これからゆっくり考えます」。12月のファイナルQTへの出場も「決め切れていない。この後、ゆっくりいろんな人たちと話して決めたい」と白紙とした。今季を振り返り「めちゃめちゃやり切れたなと思います。結構すがすがしく」と完全燃焼を強調した。

○…今大会が来季のシード権をかけた最終戦となる。2年ぶりのシード権を狙う河本結と、初シードに挑む安田祐香が予選突破で望みをつないだ。河本はメルセデス・ランキング52位で単独24位以上、同ランク54位の安田は単独17位以上の成績が絶対条件。34位につけた河本は「優勝争いできると自分を信じて背中を押したい」。27位を維持した安田は「明日からが大事」と話した。

◆国内女子ツアーのシード権 今季は、メルセデス・ランキングの年間50位までに来季シード権が与えられる。同ランクは国内ツアーならびに米ツアーのメジャーの順位をポイントに換算し、年間を通じて総合的な活躍度を評価。同51~55位までは来季前半戦の出場権が与えられる。シード権の評価対象は19年までは賞金ランキングだけで、20-21年統合の昨季は賞金&メルセデスの両ランキング。今季からメルセデス・ランキングに一本化された。

 

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