国内男子ツアー史上最も小さな賞金王が誕生した。賞金ランキング1位で身長158センチの比嘉一貴(27=フリー)が次週の最終戦、日本シリーズJTカップを残して初の賞金王を決めた。同ランク2位の星野陸也(26=興和)が優勝を逃したことで決定した。

比嘉は前週のダンロップ・フェニックスで今季ツアー4勝目、通算6勝目を挙げ、星野とは約7425万円差と広げた。星野の逆転には、優勝賞金4000万円の残り2戦ともVが絶対条件。星野が今大会Vでも、比嘉が単独8位以上なら戴冠が決める可能性があった。第3ラウンド終了時点で、星野は首位に8打差の10位。比嘉が圧倒的優位に立っていた。第3ラウンドを終えた時点で、賞金王争いについて「あまり意識していない。今日の調子を維持して、1打でもいいスコアで回りたい」と淡々と話していた。

沖縄県出身の賞金王は17年宮里優作に続き2人目。賞金王争いが最終戦前に決まるのは6シーズンぶりとなる。

4月の関西オープンで今季ツアー初勝利。6月のBMWツアー選手権森ビル杯で今季2勝目を挙げ、国内メジャーを初制覇73年のツアー施行後、最も小柄な国内メジャー覇者になった。同時に7月の全英オープン出場権も獲得。海外メジャー初挑戦も決勝ラウンドには進出できなかったが、充実した1年となった。

今季4勝も、最も賞金を稼いだのは2位の日本オープンだった。東北福祉大の後輩にあたる当時アマチュアの蝉川泰果が優勝。比嘉は2打差2位も優勝賞金4200万円を全額獲得した。前週Vのダンロップ・フェニックスも優勝賞金4000万円など、高額賞金がかかったビッグトーナメントにも強かった。

 

◆比嘉一貴(ひが・かずき)1995年(平7)4月23日、沖縄県生まれ。10歳からゴルフを始める。沖縄・本部高で宮里3きょうだいの父優さんに師事。東北福祉大卒。17年プロ転向、19年KBCオーガスタでツアー初優勝。20-21年シーズンの賞金ランク13位。158センチ、70キロ。血液型B。