双子の岩井姉妹の妹、岩井千怜(ちさと、20=Honda)が姉の岩井明愛、山下美夢有との3人でのプレーオフを制し、逆転で今季初勝利、約9カ月ぶりとなるツアー通算3勝目を挙げた。姉の明愛が4月に行われたKKT杯バンテリン・レディースでツアー初Vを飾っており、姉妹による同一年Vは史上初。姉妹でのプレーオフも史上初めて。

母の日に最高の優勝を飾った。表彰式の優勝スピーチ。千怜は「母の日に優勝をプレゼントできてうれしいです」と涙を浮かべた。今季は2位2回、4位1回とあと1歩で優勝を逃してきた。「今年に入って優勝争いをしてきて、あと少しで勝てない試合が続きました。絶対勝ってやると思って試合に臨みました」。優勝を争ったのは姉の明愛と昨季女王の山下。「プレーオフで明愛と美夢有さんと争うことができた。姉妹でプレーオフという夢がかないました」と喜んだ。

正規の18ホールは7バーディー、ボギーなしのベストスコア65で回り、通算11アンダー、205。首位だった姉・明愛ら首位と4打差7位で出て、順調にバーディーを重ねた。一時は単独首位に立ち、山下、姉の岩井明に追いつかれ、3人によるプレーオフに突入した。

18番パー5で行われた3人によるプレーオフは2ホール目までもつれた。千怜の第1打は右フェアウエー、第2打もドライバーを握る「直ドラ」でグリーン手前と、ともに明愛と同じ攻め方。優勝を決めたのはバーディートライのパットだった。明愛が1メートル超のパットを外したのに対し、千怜が1メートル弱の微妙な距離を沈めて優勝を決めた。優勝を決めると、左腕でガッツポーズ。明愛と抱き合って喜び合った。

記録ずくめで今季初V。千怜は「たくさんの応援は聞こえていました。4勝目を挙げられるよう頑張っていきます」とさらなる優勝を見据えた。

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