中島啓太(22=フリー)がプロ転向後、初優勝を飾った。3打差の2位から出て1イーグル、6バーディー、1ボギーの65をマーク。通算29アンダーで並んだ金谷拓実とのプレーオフを2ホール目で制した。

18番で行われたプレーオフ2ホール目。ピン30センチのバーディーパットを沈めると中島の目から涙があふれた。前週まで2週連続2位と勝てそうで勝てなかった思いがこみ上げてきた。

「プロゴルファーとして勝つことができて良かった。あせることなく自分のペースでできた。金谷さんたちと優勝を争えて楽しかった」

3週連続となる最終日最終組は、金谷との一騎打ちとなった。正規の18ホールでは順調にスコアを伸ばし、首位で迎えた17番パー5でまさかのボギー。バーディーを奪った金谷に逆転を許した。迎えた最終18番パー4で第2打をピン2メートルにつけてバーデイー。2パットでボギーをたたいた金谷に並ぶと、勢いに乗ってプレーオフも勝利した。

日体大の学生だった21年にツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たすなど将来を嘱望されてきた。今季は前々週はプレーオフの末に敗れ、前週は2学年上の金谷に屈して2位。あと1歩のところで優勝を逃してきた。「こういうゴルフを続けていって優勝争いを何回も重ねていけば、いつか必ず勝てる」。前週には自身に言い聞かせるように話していた。

中学3年の15歳だった15年の日本アマチュア選手権でも金谷に敗れて準優勝。再びライバルを追う展開となり、逆転で優勝した。「まだまだ金谷さんに追いついたとは言えませんが。これからも金谷さんの背中を追い続けます。そしてジュニアから憧れられるゴルファーになりたい」。見事にリベンジを果たし、すっきりした表情で話した。