第2ラウンドの残りと第3ラウンド(R)途中まで行われ、池村寛世(28=ディライトワークス)が通算15アンダーで暫定首位に立った。開幕戦の今大会前、キャディーの坂口琴音さん(28)にプロポーズしたばかり。2人で手を取り合い、自分たちの婚約を勝利で飾る。1打差の2位で嘉数光倫と佐藤大平が追走。さらに1打差の4位には金谷拓実、清水大成、アマチュアの中野麟太朗の3人が並ぶ。首位から4打差までに11人がひしめく大混戦は、日没サスペンデッドとなり71人が第3Rの競技終了を持ち越した。最終日は第3Rの残りと最終Rが行われる。

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怒濤(どとう)のバーディーラッシュで池村が一気に暫定首位へと浮上した。この日は第2Rの2番から第3Rの9番まで26ホールをプレー。第2Rの後半に6バーディーを挙げて5位に順位を上げると、第3Rに入ってもその勢いは止まらない。5バーディーをマークし、“中盤以降の18ホール”で11バーディーと荒稼ぎし「アイアンを届いたばかりものに替えたら、すごく良かった」とうなずいた。

開幕を控えた21日。5年以上交際中の琴音さんにプロポーズした。キャディーを務める彼女とは、今大会にも一緒に参戦。「言いたいことを言えるのでストレスなく戦える」とコース上でも頼りになるパートナーは、私生活では「明るい性格ですごく助かる」存在だ。

暫定ながら単独トップで迎える最終日。約2年ぶり3勝目に向け「まだ1・5ラウンドある。日曜日と見せかけて第3ラウンドなので、あまり気負わず、ほのぼのと」と笑った。31日も長丁場。2人で力を合わせて戦い抜く。【奥岡幹浩】

○…暫定2位・嘉数光倫 3位発進の第1Rに続き佐藤、中野との首位並走で終えた第2Rもノーボギー。第3Rの5番パー4では“OKパー”のパッティングが外れて初ボギーを喫したが、気持ちを切らさなかった。「全体的に安定したプレーができた。第2Rも良くて、第3Rに入ってからも悪くないプレーができた」と納得の表情を浮かべた。沖縄出身のプロ13年目。待望のツアー初勝利へ「冷静になって、ちゃんとセーフティーに打つマネジメントを心がけたい」と言い聞かせた。

○…暫定2位・佐藤大平 プロ9年目のツアー初Vへ向け、通算14アンダーと大きく伸ばしてきた。第2R2番のセカンドショットから再開し、この日は計26ホールで1イーグル、7バーディーのノーボギー。文句なしの内容にも「良いのか悪いのか、絶妙な感じ」と笑った。日没寸前だった第3R9番パー4では「見えなくて」短いバーディーパットを外したが、きっちりパー締め。「落とすことはなかった。明日に向けて頑張ればいい」と前向きだった。

○…首位に2打差、通算13アンダーの暫定4位には、第3Rの約半分を終えた金谷、清水、中野の3人が並んだ。前日に出番がなかった金谷は、第1R14位から浮上。第2R17番パー5ではイーグルを挙げるなど昨季賞金ランキング3位の実力者が逆転Vを射程圏に入れた。第1R単独首位だったアマチュアの中野は、計36ホールプレーしたこの日も崩れることなく、優勝圏内をキープ。初優勝を目指す25歳の清水は第3R9ホールで4バーディー、1ボギーと3つ伸ばした。