国内男子ツアー6勝で22年賞金王の比嘉一貴(28=フリー)が2日間首位を譲らぬ完全初優勝を飾った。

今季初戦から修正したパッティングを軸にスコアをまとめて通算11アンダー。昨年初出場した米男子ツアー、マスターズ再挑戦も視野に置く今季へ弾みをつけた。ベストアマには、福岡・日経大2年の村松陸(19)が初めて輝いた。

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マスターズ再挑戦の野望を胸に初優勝した。最終日は昨年4月に初出場した米メジャー大会を引き合いに「(現在開催中の)マスターズを見て来ました。去年ここにいたと思うと。また戻りたい」と気合十分だった。今季ツアーへも「とりあえずトーナメントで優勝したい」。出場予定の国内男子2戦目「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」(25日開幕、太平洋クラブ・御殿場コース)へ弾みをつけた。

9アンダー首位発進の最終日も実力者の貫禄だった。1番パー5から2オン2パットであっさりスコアを伸ばしペースをつかんだ。3バーディー、1ボギーと堅実なゴルフで「スコアを落とさなければ勝てると思った。マネジメントできた」と作戦勝ちした。

国内男子ツアー初戦の東建ホームメイトカップは5アンダーと振るわず59位タイに終わった。優勝は、そこからのパッティング修正が勝因でもある。「これがいいきっかけになればいい」と自信を得た。【菊川光一】

 

○…22年にプロテスト合格した元高校球児の古島壮(22=信楽CC)が初出場3位と健闘した。初日2アンダー28位から、最終日2イーグル、3バーディー、1ボギー66で通算8アンダーとジャンプアップで「大満足。緊張したが自分の力が発揮できた」と喜んだ。滋賀県出身。瀬田工では投手を務めた。だが、けがで1年冬に辞めて、16歳から本格的に始めたゴルフで新たな夢に挑んでいる。

○…村松が初のベストアマに輝いた。中3から毎年挑戦し続けた伝統の大会の栄誉に「初日いいスタートが切れて、2日目はこれ(最終日2オーバーとスコアを落とす)。悔いはあるが、ベストアマが取れて良かった」と前を向いた。沖縄生まれで熊本育ち。同組で優勝した同郷の比嘉のプレーが勉強になったといい「見てていい刺激になりました」と今後への糧にもなった。