5打差5位から出た渋野日向子(25=サントリー)は7バーディー、3ボギー、この日のベストスコアとなる66で回り通算3アンダー207、首位と2打差の4位へ順位を上げた。
14番パー4ではカップの縁に止まったボールが10秒間止まった後にコロリと入ってバーディーを奪取。「10秒の奇跡」を起こして弾みをつけた。メジャー優勝となれば2019年8月の全英女子オープン以来、5年ぶりの快挙となる。22年大会覇者のミンジ・リー(オーストラリア)ら3人が5アンダーで首位に並んだ。
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神様が味方をしているようだった。首位と4打差で迎えた14番パー4。ピンから10メートル、渋野はバーディーを狙ってパターを振った。転がったボールはカップの縁に止まる。不運なパーと思われたその時だった。10秒の間を置いて、ボールはカップにころりと転がり落ちた。「半分カップにのぞいていて、風に押された。ラッキー」としぶこスマイルを振りまいた。
第3ラウンド(R)を終えてもアンダーパーが5人のみの難コース。この日の渋野はパット数がわずか27とグリーンで活路を見いだした。11番で2・5メートル、18番は2メートルと勝負どころのバーディーパットをきっちりと決めた。最終18番パー4。残り約250ヤードの第2打をピンそばにぴたりとつける。難なく沈めて、この日7個目のバーディーで第3Rを締めた。
19年8月のメジャー全英女子オープンを制し、しぶこブームを巻き起こした。しかし、近年はスイング改造、コーチ変更など、試行錯誤を繰り返して成績が低迷。現在の世界ランクは192位。今季は9戦中6戦で予選落ちし、最高順位は50位で、直近の出場大会も2戦連続予選落ちと苦闘していた。
絶望的な状況だったが、もがき続けた。今大会前にはドライバーとアイアンのシャフトを以前使用していた柔らかいタイプに変更。「しなりを使って打てるようになった。再現性が高まった」と活路を見いだした。22年8月の全英以来となるメジャーでの優勝争い。「吐きそうだった」と競技中は必死に緊張感を封じ込めた。大舞台の場数は踏んでいるだけに「なるべく集中し、深呼吸してやった」と精神面の揺らぎをプレーに出さなかった。
19年全英女子オープン以来となるメジャー2勝目へ向け、22年の全米女子オープン選手権を制したミンジ・リー(オーストラリア)ら3人を2打差で追う。運命の最終日。「うーん、この位置にいると勝ちたい気持ちが芽生える。悔いの残らないプレーをして、見ている人が楽しめるプレースタイルを心がけたい」。しぶこが復活を証明しつつあることは間違いない。
〇…この日も日本勢は上位に名を連ねた。3打差3位で出た笹生優花は、スコアを1つ伸ばし2アンダーで、首位と3打差の5位につけた。小祝さくらはパープレーで回り、トータル1オーバーで6位タイ、竹田麗央は2オーバーで8位タイ、山下美夢有は3オーバーで11位タイ、古江彩佳、岩井千怜は4オーバーで14位タイでそれぞれホールアウトした。

