5人家族の「夢」に涙がにじんだ。米ツアー挑戦1年目ながら、米メジャー今季最終戦のAIG全英女子オープンで初優勝を飾った山下美夢有(24=花王)が5日に帰国し、東京都内の日本記者クラブで会見した。身長150センチと小柄も、安定した技術力を強みに世界の頂まで上り詰めた。今年から米国拠点となった後も支えてくれた家族の存在も語り、「山下家」にとっても大きな1勝となった。

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会見終了まで残り約10分だった。笑顔や真剣な表情で淡々と質問に答えていた山下が急に言葉を詰まらせると、会場の空気が一変した。

家族との思い出について聞かれた3人きょうだいの長女は「小さい時からずっと一緒に練習してきたので、一番身近で支えてくれた」と打ち明けると、目から大粒の涙がこぼれた。

「特に私は試合でいないことが多かったけど、その中でも弟と妹が(自分や家族を)サポートしてくれた。本当にすごく、私のことを考えてくれて、一番近くで支えてくれたので、今回優勝できてよかった」。

現在は米国を拠点にプロ生活を送っている山下。今季プロ転向した弟勝将(まさゆき)と、過去にキャディーも務めてくれた妹蘭さんはアマ時代から変わらない強力なサポーターだ。

快挙を遂げた英ウェールズでも両親は寄り添ってくれた。

山下が「(プレーの)技術面では私の方がある」と笑うコーチの父勝臣(まさおみ)さんの指導力は「納得いかず、反抗的にもなったけど、『お父さんの言うことは正しい』と信用している」。

母有貴さんの故郷・石川県七尾市に対し、昨年発生した能登半島地震からの復興への祈りもささげ、「(母に)結果で恩返ししたい気持ちがあった」とも語る。

8日からは北海道meijiカップを控えており、家族そろっての祝杯はまだできていない。しかし、24歳は「こうやって優勝できたことは私にとって絶対に忘れないし、ここまで来られたのも私1人だけじゃない」と万感の思いを込めた。

最後に揮毫(きごう)したのは、自身の名から取った「夢」の1文字だ。「この漢字を選んでくれたのはお父さんとお母さんで、この(自分の)名前は私も大好き」。ここから先の美しい夢も山下家5人とともに有り続ける。【泉光太郎】