今季のゴルフツアーで唯一、東北で開催されるミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンは23日に宮城県利府GCで開幕する。高校生活を宮城県で送った宮里藍(26)と有村智恵(23)は21日、強い雨の降った会場で午前に軽く練習し、東日本大震災の被害を受けた地での大会に意欲を高めた。

 米ツアーから一時帰国し、5年ぶり出場となる宮里藍は「この大会があることがうれしい。8割方(開催は)無理だろうと思っていた」と話す。宮城・東北高3年生だった2003年にアマチュアとして衝撃的な優勝を飾った場所。06年にも勝っており相性は上々だ。

 米ツアーに組み込まれた7月のエビアン・マスターズ(フランス)を制した時は「日本の皆さん。一緒に力を合わせて、また頑張りましょう」と涙を浮かべてスピーチし、賞金の半分以上を寄付した。ずっと気にかけてきた東北での大会を迎え「私にできるのは、ゴルフを少しでも多くの人に見てもらうこと」と口元を引き締めた。

 宮里藍の高校の後輩、有村は09年の優勝者。震災直後から寄付、募金活動などに積極的で「宮城のいろんな方と話をさせてもらった」という。平均ストローク数で首位の実力者は「大会があることがいかにすごいことか実感した。今まで以上に頑張りたい」と意欲を隠さなかった。