<女子ゴルフ:ヴァーナルレディース>◇最終日◇17日◇福岡・福岡センチュリーGC(6594ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 プロ20年目の斉藤裕子(41=帆風)が、通算5アンダーの211で5年ぶりのツアー2勝目を挙げた。強い風と雨の難条件に苦しみながらも74にまとめ、初日からの首位を守り切っての完全優勝。プロ野球横浜の工藤公康投手(46)の活躍にも刺激を受け、05年6月アピタ・サークルK・サンクスを48歳で制した具玉姫(韓国)以来の40代優勝を果たした。

 20センチのウイニングパットを沈めると、41歳の斉藤は右腕を突き上げた。5年ぶりのツアー2勝目は、具以来の40代Vになった。「つらかった。でも、良からぬことを考えず、自分の1打に集中して回ろうと思った」と振り返った。

 同じ最終組の相手は元女王不動と、現在賞金ランク1位の横峯。スタート時に2打差をつけていた横峯には2番で追いつかれた。3番終了後に強い風雨で17分プレーが中断。そこから粘った。11、12番では3メートルを沈めてパーセーブ。逆にスコアを落とした不動が「40代という感じがしない。我慢は大切なんだと思った」と脱帽するほどだった。

 今季のシード選手平均年齢は27・7歳(開幕時)。道具の進化で若年化が進む中、シード最年長なりの研究、努力を続けてきた。プロ野球界現役最年長の46歳、横浜工藤の著書「現役力」を読み「自分自身が、自分のコーチにならなきゃいけない」と再認識した。

 オフはトレーナーのケビン山崎氏との「肉体改造」を10年近く継続中で、体重は初めてシード入りした94年時から2キロしか増えていない。賞金ランクは4位に浮上し、6月サントリーレディス終了時の同5位以内に出場権がある全英女子オープンにも1歩近づいた。「全英には1度行ってみたい」。41歳の夢は、まだ先へとつながっている。【木村有三】