87年に4勝して初の米女子ツアー賞金女王に輝くとともに年間最優秀選手を獲得、外国選手として初の2冠を達成した岡本綾子(59=ダイワボウ)は、自身の記録を抜く5勝目を挙げた宮里藍(25=サントリー)を「すごいね。もっと勝てる」と祝福した。

 岡本

 もう20年以上前の話でしょ。私の時とはコースセッティングも違うけど、勝てるってことはすごいこと。アプローチ、パットが一番うまいんじゃない。(勝った試合は)ラフが短くて、距離的にちょうどいいのでは。そういうコースに行くと、勝てるっていう自信があるんだと思う。ただ、ラフが長いところでは太刀打ちできていない。

 その通り、6150ヤードのパー71だったショップライトを除く4勝は、6469~6552ヤードのコース。6600ヤードを超えたり、メジャーのようにラフが長いコースでは成績が下降する。6500ヤード前後が、飛ばし屋ではない宮里にとって「適性距離」といえる。

 岡本

 軽井沢で練習を見たけど、スイングはそう変わっていない。(宮里の場合)自分の持ち球のドローの曲がりさえ抑えられればいい。1つに徹底できる強さがある。

 岡本の全盛期は、ボールもクラブも今と違い、さまざまな技を要求されたが、道具の変化とともに「1つに徹する」のも、安定した成績につながっている。

 岡本

 オチョアの引退で、強い選手の中でどんぐりの背比べ状態。日本の不動の全盛期のように、意識して周りが崩れていくという選手がいない。(宮里は)現段階では、そういう選手になりうる筆頭だと思う。

 数字で自身を超え、さらに飛躍を期待する岡本は、賞金女王に向けては「体調を整えること」を挙げた。