<全国高校駅伝男子>◇23日◇京都・西京極陸上競技場発着(7区間42・195キロ)◇47校

 融合パワーか。男子は豊川(愛知)が、50年ぶりの初出場Vを飾った。3、4区で区間賞を獲得し、2時間2分55秒は大会歴代4位の好タイムで2位の西脇工(兵庫)に1分51秒差をつける圧勝だった。東日本大震災の影響で、今春に強豪・仙台育英の主力10人が転入。その選手がこの日は7区中5人走り、優勝に貢献した。女子は立命館宇治(京都)が史上最多タイの3度目の優勝を5年ぶりに果たした。

 豊川の圧勝だった。3区でカレミ・ズク(3年)が高校生では異次元のスピードで大差トップを奪うと、後は影も踏ませず都大路を駆け抜けた。1962年(昭37)の福岡大大濠以来の初出場Vだが、森安彦監督(51)は「ホッとした。とりあえず荷が下りたかな」と心境を語った。

 初出場でも都大路経験者がいる。今春、強豪の仙台育英から長距離の主力10選手が転入した。東日本大震災の影響だが、愛知県高体連は「震災特例」を認めず、6カ月は高体連主催大会に出場できない判断をした。対象選手は大目標のインターハイ出場もかなわず、駅伝だけにかけてきた。1区の服部弾馬(3年)は「駅伝を走るために頑張ってきた」と力を込めた。

 強い選手の加入はチームの編成も変える。この日は7区中、5人が転入組。だが“生え抜き”の7区皆浦巧(2年)は「レギュラーに入れるか不安はあったが、いい刺激をもらった」。チームとして戦った結果を圧勝Vで証明した。【実藤健一】