世界ランキング5位の日本が、同7位のドミニカ共和国を3-0のストレートで破り、4大会連続の五輪出場に王手をかけた。第1セットを25-22で奪った日本は長岡望悠(みゆ、24=久光製薬)の強打で第2セットも制し、ジュースにもつれた第3セットも27-25と逆転した。通算4勝1敗の勝ち点11。今日21日に同8位のイタリアに勝つか、敗れてもタイ(対韓国)とペルー(対オランダ)がともに負けるなどの条件でリオデジャネイロ切符を獲得する。

 左のエース長岡が、チームの勢いをさらに加速させた。第1セット途中から迫田に替わって出場。石井がスパイクを止められ21-21の同点とされると、最初のバックアタックを豪快に突き刺して、重苦しい雰囲気を一変させた。201センチE・マルチネスらドミニカ共和国先発の平均身長188・3センチの高さに負けず、チーム最多21本のスパイクを決めた。53・9%の決定率で勝利を導き「私のポジションは常に打ち続けなければならない。タイ戦を乗り越えて、どんな苦しい状況だろうと、みんなで戦い抜くしかないと思った」と喜んだ。

 相手を見てスパイクを打つ技術の蓄積だった。「うまくブロックを利用して打てた」。強打だけでなく、フェイントや、あえてジャストミートさせない速度を落としたスパイクも効果的に使った。多彩な攻撃でブロックアウトも量産し、相手の高さを攻略した。

 その源は高校時代に養った。ブロックが見やすいように、後ろを小さく、前に大きいスイングを徹底。母校の大分・東九州龍谷高の相原監督を驚かせたのは「相手の指紋まで見えるようになりたい」の言葉だった。相手の手に集中しながらの反復練習で、苦手だった高いブロックを克服し、高校3冠。その経験が第3セット終盤でも衰えない決定力につながった。

 今日にも五輪出場が決まる。過去2年で3勝6敗と分が悪いイタリア戦に向けて長岡は「迷わずに、みんなでやってきたことを信じるだけ」と誓う。世界のブロックを打ち破った先に、リオがはっきりと見えてきた。【鎌田直秀】

 ◆リオ五輪への道 世界最終予選兼アジア大陸予選では8カ国が総当たりで対戦。アジア最上位かそれ以外の7カ国の上位3カ国が出場権を獲得する。順位は勝敗で決め、並んだ場合は<1>勝ち点<2>セット率<3>得点率の順で決める。4勝の日本は21日にイタリアに勝てば韓国を含む4位以内が確定して五輪出場権獲得。日本の試合前にタイ、ペルーがともに敗れれば、やはり4位以内が確定して五輪出場が決まる。また、現在勝ち点6のペルーが勝った場合でも、3-2ならば同8。日本が敗れても2セットをとると勝ち点1が入り、同12でペルーを上回り出場権を獲得する。最終的にタイ、ペルーと勝ち点で並んでも、大きくリードしているセット率で日本が優位。