2大会ぶりの五輪が大きく遠のいた。世界ランク14位の日本は、14年の世界王者で同2位のポーランドに0-3で完敗した。第2戦の中国戦(29日)に続くストレート負けで1勝2敗となり、7位に転落した。石川祐希(20)が17得点を挙げて気を吐いたが、相手の高いスパイクにブロックポイントはわずか2本と歯が立たなかった。今日1日は同8位でアジア最強のイランと対戦する。

 最後のスパイクを見送るしかなかった。清水主将はぼうぜんとした表情で両手を膝に置いた。「いいプレーはしているんですが、仕方ないというか…」。完敗ショックに言葉が見つからなかった。日本のチーム平均身長188・9センチに対し、ポーランドは197・6センチ。その高さに苦しんだ。

 ブロックでは11失点を喫し、幾度となく反撃を食らった。先にセットを取られた後の第2セットでは、10-7とリードしたところから悪夢の9連続失点。相手の速いトス回しにブロックがついていけず、強烈なスパイクに1歩も動けなかった。新エース石川の奮闘も実らなかった。第1セットでは14-19から6点を1人で奪うなど、17得点で成功率70%と気を吐いた。ただ第2セット以降は執拗(しつよう)にサーブで狙われ、スパイクを打ちにくい状況を強いられた。

 30日の練習前のミーティングで、ミス覚悟でサーブで攻めることを決めた。関田は「(サーブを)入れにいっても結局いいボールを上げられて打たれる。ミスはいいから攻めて崩そうと話した」と明かした。石川、清水、柳田を中心に強打を続けた。だが多少レシーブがずれても、ポーランドはブロックの上からスパイクをたたきつけた。柳田は「簡単に勝てる相手じゃないと思い知らされた」と差を認めるしかなかった。

 サーブミスは第2戦と同じ16本。責められないミスとはいえ失点を帳消しにする攻撃はできなかった。力の差を見せつけられ、チームには危機感が漂う。石川は自らを鼓舞するように「後がないが、何が起きるか分からない。切り替える」と話した。【岡崎悠利】

 ◆五輪の出場条件 8カ国が総当たりで対戦し、順位を決定。日本はアジア4チーム(イラン、オーストラリア、中国)の中で1位となるか、それ以外の7チームのうち3位までに入れば出場権を獲得する。順位は勝敗で決め、並んだ場合は<1>勝ち点<2>セット率<3>得点率の順で決める。勝ち点は3-0または3-1の勝利=3点、3-2の勝利=2点、2-3の敗戦=1点、1-3または0-3の敗戦=0点。

 ◆現状と見通し 現時点で五輪が消滅することはないが、五輪切符の目安となる4勝の壁は高い。フランスは日本が完敗した中国に快勝し、ポーランド相手にも先に2セットを奪った。アジア選手権連覇のイランに、カナダも好調。勝利を計算できる相手は1つもなく、見通しは厳しい。