競泳世界選手権(ブダペスト)の日本代表が1日、帰国した。男子50メートル背泳ぎ銀メダルで09年ローマ大会以来4大会ぶりに表彰台に立った古賀淳也(30=第一三共)は「金メダルをとれずに残念だったけれど、まだまだいける手ごたえはつかんだ」と話した。

 30歳での個人種目のメダル獲得は、五輪、世界選手権を通じて日本競泳史上最年長。それでも、32歳のカミーユ・ラクール(フランス)が優勝するなど「世界では30代は珍しくないですから」と言う。ラクールは今大会で引退するが「レース後に話をして、自分はやると言いました」。33歳で迎える東京五輪は「何が何でも出たい」、34歳での世界選手権福岡大会も「視野に入れている」と話した。

 50メートル背泳ぎは非五輪種目のため、東京五輪は100メートルで臨む。「スタミナというよりも、いかにスピードを落とさず泳げるかがカギになる」と、力に頼らないベテランらしいレースプランも明かした。混合メドレーリレーの第1泳者として100メートルを「意外と速く泳げた」のも自信になった。

 昨年9月からはコーチなしで練習。自らメニューを作り、1人でトレーニングを続けてきた。日本競泳陣では異色だが「今回結果が出て、間違っていないと思った」と胸を張った。練習嫌いも、派手な私生活も反省して黙々と続けてきた孤独な練習。「自分でも、精神的にずいぶん変わったと思います」。笑いながら言った。09年世界選手権で100メートル背泳ぎの金メダリストになってから8年、強さを増した古賀は、まだまだ世界の頂点を狙う。【荻島弘一】