秋田ノーザンハピネッツが岩手ビッグブルズに67-52で勝利した。第4クォーター(Q)開始1分、味方ファウルの判定に激しく抗議したジョゼップ・クラロス・カナルス・ヘッドコーチ(48=ペップHC)が退場処分を受けたが、そこから見事な逆転劇を演じ、粘る相手を突き放して連敗を阻止した。

 46-45と1点差に迫られた第4Q、ペップHCが激怒した。味方ファウルとなった微妙な判定に鬼の形相で執拗(しつよう)に抗議すると、2度目のベンチファウルで退場宣告を受けた。このファウルで相手に与えられた2スローを決められ、逆転された。

 重苦しい空気が流れる中、流れを引き戻したのは、今季新加入の徳永林太郎(30)だった。「競った試合では確率よくシュートを決めることが鍵を握る。消極的になると入らないのでアグレッシブに打つことを意識した」と48-47と勝ち越した直後、2連続ゴールを決め突き放した。第3Qまで無得点。4本のフリースローをすべて決めるなど10得点と爆発し試合を決めた。「僕に求められるのはリーダーシップ。ペップさんがいなくなりチームの真価が問われた。しっかりチームでまとまって勝てたことは大きい」と振り返った。

 代行指揮を執った前田顕蔵アシスタントコーチ(35)の冷静な采配も光った。ペップHCのゲームプランを再確認させ、リズムを取り戻して「立ち上がりからファウルで苦しんだが、第4Qで守備から巻き返せたのはよかった。明日につなげたい」とホッとした表情で振り返った。退場したペップHCの今後の処分は未定だが、チームの団結力は、さらに強固となった。【下田雄一】