2020年東京五輪(オリンピック)・パラリンピック組織委員会は15日、入場券の販売戦略に関する有識者会議を開き、一般販売する五輪開会式の入場券の最高価格を12年ロンドン五輪と同程度の28万8千円とする案などを示したが、価格の幅をさらに広げるべきだとの意見が出てまとまらなかった。価格設定は今後も議論を継続する。

 組織委案では、五輪の競技の入場券はサッカー1次リーグの2千円台から最高で陸上の10万8千円に設定。パラは開会式の最高価格を14万4100円とし、競技は千円から最高で6500円の価格帯を示した。しかし、有識者会議座長の加納貞彦早稲田大名誉教授は「もっと(価格に)メリハリを付けようという議論になった」と述べ、結論を先送りした。

 組織委は多くの人に観戦機会を提供するため、一般販売の入場券の他に小学生、家族向けを対象とした割安な入場券や、車いす観戦者とその同伴者向けの企画チケットの販売を検討している。一方、入場料収入を増やすため、富裕層向けに飲食サービスなどの付いた「ハイグレードチケット」も設ける予定。

 組織委は7月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で価格の承認を目指しており、来年夏ごろに一般販売を始める方針を示している。