気温とともにラグビー熱も熱く-。ラグビー7人制女子日本代表の桑井亜乃(28=アルカス熊谷)が24日、ラグビー熱の機運醸成を願った。

 ワールドカップ(W杯)米国大会を終えて羽田空港に帰国。23日に国内最高気温記録を塗り替え、「日本一暑い街」に返り咲いた埼玉県熊谷市の八木橋百貨店に勤務する桑井は「日本一はありがたいけど、そこに帰るのが恐ろしい…。熊谷は19年W杯の開催都市でもあるし、気温だけでなくラグビー熱も熱くなってほしいです」と呼び掛けた。

 八木橋百貨店には、熊谷名物の「大温度計看板」(縦4メートル×横65センチ)が設置されている。設置された07年にたまたま国内最高気温を塗り替える40・9度を観測し、13年に高知県四万十市に抜かれるまで「日本一暑い街」のシンボルだった。「あついぞ! 熊谷」の自虐的キャッチコピーなどが受けて、全国ニュースなどでも頻繁に取り上げられた。

 しかし、熱中症対策に力を入れている熊谷市から「暑すぎるイメージが定着しすぎると観光客誘致にマイナスになる」との意向が伝えられ、今年5月にキャッチコピーを「熊谷夏の陣」にしてリニューアル。前回と同じく、看板を設置した年に再び41・1度の国内最高気温を観測した。桑井は「北海道の家族から全国ニュースで映っていた八木橋の『大温度計看板』の写真が送られてきました。個人的には『あついぞ! 熊谷』に戻した方がインパクトがあると思うのですが…」との考えを示した。

 W杯では10代の若手が躍動し、W杯初勝利を含む2勝を挙げて、過去最高の10位に入った。過去2大会で勝てなかったW杯でブラジルとフィジーを破り、成長を示した。しかし、2年後の20年東京五輪(オリンピック)では「メダル獲得」を目標とするが、強豪国に比べてパワーとスピードなどの差は歴然だ。

 今大会は登録メンバー外となり裏方としてチームを支えた桑井は、悔しさもあらわにした。「年齢的にはベテランの域かもしれないけど、個人、チームとしてもまだまだ成長できると信じています。熊谷の最高気温に負けないよう、自分もラグビーも進化して存在感を示したいです」。