2020年東京オリンピック(五輪)大会組織委員会は30日、五輪チケットの1次抽選で1枚も当選しなかった人を対象に行う「追加抽選」で販売する競技・種目と抽選期間を発表した。対象は20競技・170枠、うちメダル決定戦は27枠を売り出す。枚数は68万枚余りになる。

抽選申込期間は8月8日未明から同19日午前11時59分、結果発表は9月11日。購入手続き期間は同日から同24日午後11時59分まで。申し込み上限枚数は、予選等は6枚、メダル決定戦は4枚となる。

主なメダル決定戦は、陸上男子マラソン、男子1万メートル決勝、男子3000メートル障害、女子5000メートル決勝、野球3位決定戦、フェンシング女子エペ団体決勝・3位決定戦、サッカー女子3位決定戦、ホッケー男女3位決定戦、ラグビー女子決勝・3位決定戦、ビーチバレー男子決勝・3位決定戦など。

組織委はこれまで「販売戦略上、公表できない」としてきた1次抽選の実績の一部を公表した。それによると、抽選申し込みした総人数は約512万人で当選者が約96万人。少なくとも1枚当選できた倍率は約5・3倍だった。

今回行う追加抽選に申し込めるのは、1次抽選に参加し、1枚も当選しなかった人のみで対象者は約416万人。仮に全員申し込めば倍率は約6・1倍となり、これも高倍率だ。

1次抽選の実績を公表した理由について組織委の鈴木秀紀チケッティング部長は「普通、販売途中で開示することは少ないが、過去大会と比べ最高レベルの申し込みをいただいた。『当たらなかった』という声もたくさん聞いた。追加抽選に皆さまのご期待が非常に大きい中で、現実的な数字をお伝えする必要があると判断した」と述べた。

1次抽選で落選者が続出し、インターネット上などでは不満の声が続々と上がった。追加抽選では事前に倍率の目安を伝えることで、現実的な期待感を示し、結果発表後の落選者の不満を軽減する狙いがある。

追加抽選への申し込みはシステム上、1次抽選の当選者も申し込み可能だが、自動的に落選するため、無駄な手間となる。同じく1人2枠以上の申し込みも可能だが、これも無効化され落選となるため注意が必要だ。

秋以降に実施する2次抽選は誰でも応募できる。来春以降は公式サイト、街中の直売所、公式転売サイトで自由購入できる。「1次+追加抽選」では約400万枚が売り出される。五輪チケットの最終的な販売枚数は900万枚超になる見通し。その内、2~3割がスポンサーや関係者用となる。【三須一紀】

<「追加抽選」の販売対象競技>

水泳・飛び込み メダル決定戦枠(以下、メ)2 予選等その他の枠(以下、他)1

水泳・水球 メ0 他9

陸上 メ2 他0

陸上・マラソン メ1 他0

野球 メ1 他3

ソフトボール メ1 他3

バスケットボール メ0 他17

カヌー・スプリント メ1 他2

自転車・マウンテンバイク メ1 他0

自転車・ロード メ2 他0

馬場馬術 メ1 他0

フェンシング メ1 他0

サッカー メ1 他21

ゴルフ メ0 他1

体操 メ0 他1

ハンドボール メ0 他17

ホッケー メ2 他21

近代五種 メ2 他0

ボート メ0 他1

ラグビー メ1 他10

テコンドー メ4 他4

ビーチバレー メ1 他27

バレーボール メ0 他1

ウエイトリフティング メ3 他0

レスリング メ0 他4