W杯日本代表NO8姫野和樹の母校、中部大春日丘が同代表リーチ・マイケル主将の母校、札幌山の手との“代理決戦”を制した。 雨の第3グラウンドで、鮮やかな先制トライが決まった。前半1分。フランカー吉田柊也(2年)が鋭い出足で相手SOのキックを敵陣深くでチャージ。両手できれいにはじいたボールをインゴールで押さえた。愛知県予選4試合で出場ゼロの男は「めっちゃうれしかったです」と大喜びだ。

10月の御所実との練習試合で左肩を負傷。練習どころか、手が上がらず、頭も洗えない。必死のリハビリ、できる限りのトレーニングで体重を6キロ増やし、81キロで迎えた今大会。28日にスタメンを言い渡された。「何とかベンチに、と思っていて、まさか最初から出られるなんて」と、声を弾ませた。

姫野先輩は憧れだ。1年前、姫野がテレビのロケ取材で学校訪問した時に、帰りを待ち構えてサインをゲットした。「少しでも大きく書いてほしくて」と、大きめの布地の筆箱に書いてもらった。

雨で両チームがハンドリングミスを重ねた。宮地真監督(54)はリーチVS姫野の母校対決を泥だらけのコンディションに引っかけて「“泥試合”になっちゃいましたね」と苦笑いしたが、勝ったことが大きい。初のベスト8へ。「6度目の挑戦です」と元日の3回戦を見据えた。