発信源はフィフティーンにあった。常翔イズムは、学内にも広まっている。常翔学園ラグビー部は、早朝から学内でウエートトレーニングに励む日々を送る。それを見た野球部員の約30名も朝練習にも着手。全国レベルの練習をまねして、スキルアップを狙った。

野球部でコーチを務める上坂俊貴先生(保健体育)は「ラグビー部が一生懸命に練習している姿を見ると『強くなりたい!』という熱意が伝わってくる」と感銘を受けた。その後、指導歴2年目の若手教員は動画投稿サイトYouTubeでラグビー日本代表の奮闘を見たという。「あれだけ追い込んで練習して、大舞台で結果が出せる。生徒たちにむちゃなことは言えないけど参考にはしてほしい」と向上心のある選手を懸命にサポートしている。

早朝練習だけでない。学内で毎朝「あいさつ運動」を行っている生徒指導部の土屋莞志先生(社会科)は「やっぱり、スポーツマンですよね。きっちり目を見て、立ち止まってあいさつができる」と証言。礼儀ができる素直さも、成長の秘訣(ひけつ)だと言う。

この日は野球部員が花園に応援に駆けつけた。雨中で声援を送った野球部員は「普段、学校で見ている選手が、全国大会に出ている。自分たちも1つでも上のステージで戦えるように頑張りたい」と意気込む。

発信源は楕円(だえん)球。「オール常翔学園」で突き進む。【真柴健】