Bシードの東福岡(福岡)が、7大会連続で4強入りした。

同じBシードの流通経大柏(千葉)に57-10で大勝。WTB高本とむ(3年)の3本を含む計9トライの猛攻だった。3大会ぶりの高校日本一へ、5日の準決勝は5大会連続4強の桐蔭学園(神奈川)と激突する。終了間際に劇的逆転勝利を挙げた常翔学園(大阪第2)は、御所実(奈良)と対戦する。

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東福岡のポイントゲッターが、鮮やかに先制トライを決めた。前半3分。中央右ラインアウトから、左に展開。パスを受けた高本が、走った。左タッチライン際を駆け上がり、タックルに来る相手をキックでかわし、転がる球を拾い上げ、インゴールに飛び込んだ。同11分、同25分と合わせ3トライ。大暴れだ。

高本は「今日は先手必勝で、と思っていた」と言う。元日の3回戦・国学院栃木戦は17-12ともたついた。反省から、主導権を早く握りたかった。前半はエリアを奪うキックは1本もなく、回して攻めた。象徴的だったのが、高本だ。大阪・箕面四中まではSO、CTB。「いつも自分で決めたいという意識はあった」。両親に「何事にも富めるように」と、ひらがなで「とむ」と命名された少年が、高校でWTBとなり、得点を増やす。

藤田監督は「前の試合はあまりにキックが多かった。だからキックを減らし、ブレークダウンでしっかり体を当てようと。前半の入り、良かったです」という。7大会連続の4強は、継続中の記録では1位。同監督は「うれしい。いつか優勝ができる位置。ベスト8から“勝てるチーム”と“勝てそうなチーム”は違うので」と満足そうだ。

準決勝は桐蔭学園と対戦する。春の選抜大会で21-67と惨敗した相手に、リベンジの時が来た。広瀬主将は「春に自分たちの弱さを気づかせてくれた相手」と意気込む。3大会ぶり7度目の日本一が、見えてきた。【加藤裕一】