就任29年目、大工大時代からチームを支える常翔学園の野上友一監督(61)でさえ、興奮を隠せなかった。4点差を追う後半ロスタイム。最後の1プレー。WTB生駒創大郎(3年)が左サイドでボールを受けると、ディフェンスを振り切った。まるでドラマのような試合終盤の逆転トライ。 高校ラグビー界の名物監督は「こんな気持ちいい試合は初めてや」と頼もしい教え子たちを見つめた。

劇的トライの生駒は「みんなでつないだボールだったので絶対にトライを、と思って。人生で1番幸せな瞬間でした」と振り返った。

野上監督は「(生駒は)1000%の力を出してくれた。前半にFWも粘ってくれて、後半が勝負だと言い聞かせていた」と満足そうだった。

5日の準決勝は御所実(奈良)と対決。春の選抜大会で0-7と敗れた相手に雪辱を果たせば、大工大時代を含め6度目の高校日本一に王手がかかる。