高校日本代表候補8人を擁し、3大会ぶり7度目の優勝を狙ったBシード東福岡は、7-34でAシード桐蔭学園(神奈川)に敗れ3大会連続の4強に終わった。優勝候補筆頭に攻守で圧倒され4トライを許す完敗で、1トライを返すのがやっとだった。これで全国選抜大会、花園ともに2大会連続で桐蔭学園の壁に屈した。

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九州王者が東の横綱に完敗した。4トライを奪われ、後半30分にトドメのDGを決められ万事休す。攻守に精彩を欠き、無情のホイッスルに、両手を膝について悔しがったCTB広瀬主将は「春(選抜)に負け、リベンジの思いだったが通用させてもらえず完敗です」と唇をかんだ。

Aシード対決で敗れた前回大会準決勝に続き、昨春の全国選抜大会準々決勝では、21-67の大敗を喫していた。「打倒桐蔭」を合言葉にしてきたが、及ばず。フランカー永嶋は「ベスト8までと違い、ボールを持つ選手への圧力がすごかった」と言い、藤田監督も「ペナルティーが多かった。圧力ですね」と脱帽。今回もアタックや守備両方で圧倒され、チャンスに反則を連発し波に乗れず。自滅した感すらあった。

藤田監督は、新チーム結成にあたり、FWのサイズが小さい分、タレントが豊富なBK力を前面に、グラウンドを大外まで広く使うランニング・ラグビーで始動した。だが昨春につまずき、そこからやはりFWあってのBK展開と、フィジカル強化で出直した。

選抜敗退後、フランカー井上が「手抜きなしで2時間行った1対1の(接点への体の)差し込みが一番きつかった。1人けが人も出ました」と振り返る“地獄トレ”を敢行。ウエートトレーニングのほか、FW陣は福岡大ラグビー部を相手に強化を図った。昨年12月中旬の関西遠征では、前回大会覇者の大阪桐蔭や常翔学園に競り勝つなど結実したかに見えたが、無念の敗退となった。

広瀬主将は後輩へ「こんな経験はしてほしくない。優勝する強い気持ちでやってほしい」とエール。1年生ながらメンバー入りした八尋や平らの下級生に、大優勝旗奪還の夢が託された。【菊川光一】