秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)が新潟(中地区4位)を63-60で下し、アウェー5連敗を止めた。

21日に特別指定選手契約で入団し、地元新潟出身の多田武史(22=拓大4年)が初シュートで得意の3ポイントを決めるなど、Bリーグ初得点となる5得点を挙げてチームをけん引。昨年12月21日以来9戦ぶりの連勝もたらした。前半戦30試合をB1では3季目で過去最高勝率の14勝16敗でターン。ワイルドカードでの初プレーオフ(PO)進出に望みをつなげ、26日から始まる後半戦で巻き返しを狙う。

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入団ホヤホヤの秋田多田が故郷で輝いた。関東大学リーグで4度、3ポイント王に輝いたロングシューターが本領を発揮した。前半から互いに1歩も譲らない試合展開で、第1クオーター(Q)残り1分36秒でコートイン。10-16の同43秒にプロ初シュートを放って3点弾を沈め、Bリーグ初得点を挙げた。第2Qはスタートで入り、このQ2度目のシュートチャンスで2点シュートを決め、点差を縮めた。「自分は1本決めると、もう1本良い形で打てることが多いので、狙っていました」と、その後も積極的にシュートを放ち続けた。

東地区2位の宇都宮ブレックスをホームで迎えた22日にデビュー。チームは1ゴール差で粘り勝ちし、リーグ戦の連敗を7で止めたが、出場時間は第1Q残り5秒で出場した5秒間だけだった。新潟出身で、故郷で迎えた初のアウェー戦。前日の夜から気持ちが高ぶっていたが、「チームで徹底しているディフェンスをハードにする。自分がフリーになったら思い切って打っていこう」と全力プレーを誓い、3点シュート5本、2点シュート1本を放った。

小学3年でバスケを始め、新潟市立舟栄中(現新潟柳都中)から八王子学園八王子(東京)に進学。昨季は中地区を制した新潟と対戦し、「憧れはありました。憧れのチームと試合できるだけで良かった」と笑顔を見せた。26日も新潟戦。「そんなに気負わずに、思い切ってシュートを打って、ディフェンスをハードにやりたい」。15歳まで過ごした故郷をステップに、プロとしての大きな1歩を踏み出した。まだ借金2だが、上位2位までPOに進めるワイルドカード争いは12チーム中4位につける。上位進出へのキーマンとして、多田が得点を積み重ねる。【相沢孔志】